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COLUMN

#10
時をしるすもの

毎年、TBSで働く社員には社員手帳というものが配られます。そこには、TBSの社員が知っておくべき会社の理念であったり、行動憲章などが記されています。

このリブランドで、その手帳を「ほぼ日手帳」とコラボするのはどうかというお話が、当時のブランディング委員会で上がったという話を聞いたときは、すぐに「私も一緒にやらせてください!!!」と声を上げてしまいました。まだまだペーペーの若造(今もですが)にも関わらず、そんなに前のめりになってしまったわけは、わたし自身が6年間ほぼ日手帳ユーザーであり、その手帳の考え方や周囲のクリエイティブがとても好きでファンだったということがあります。

手帳自体のありようの変化

近年、手帳というもの自体もデジタル化されつつあって、わたし自身も仕事の打ち合わせのスケジュールなんかは全てGoogleのカレンダーを利用しています(最近、会議室予約ができるという機能を知り、世の中便利になったもんだなぁ〜と思いました)。ですが、その一方でアナログな手帳もずっと使い続けてきました。そこには、仕事のこともそうですが、プライベートの予定や、その日の天気、食べたもの、観たドラマの感想etc… つらつらと書いてみたり、観た映画の半券やポラロイドカメラで撮った写真を貼ったりなど、かなり個人的な、記憶を留めておく場として使っています。

100人に渡して100人が使ってくれるわけではないかもしれないけれど、普段使わない人には少しでも使ってみようと思ってもらいたい。今まで手帳自体を使ってきた人たちには、より使っていて愛着のわくものにしたい。そしてほぼ日さんと一緒にやるからには、その良さを最大限生かした見せ方をしたい。そう思いながら、デザインのアイデアを探っていきました。

カバーには、ブランドプロミスの英訳をアクセントとしてシルバーインキで入れました。

オリジナルのほぼ日手帳をつくる

昨年の夏から秋、ほぼ日の本社の方には何度も足を運ばせていただき、カバーの生地選びから、ステッチをどうするか、中のTBSロゴの印字はどうするか、青の微調整など、たくさんのわがままを聞いていただきながら、少しずつ形にしていきました。

幅広い世代がいて、尚且つ、おそらく自分なりのこだわりを各々持たれている(わたしも少なからずはある)TBSの社員に向けて、飽きのこない・TBSらしい・愛着のもてる・新しいロゴを祝福するような前向きなデザインにできればと思い、制作しました。
カバーにも、そして手帳の本体にもしっかりとTBSロゴが入っております。この「青」には印刷の段階でかなり細かい調整をお願いし、何度も何度もサンプルを上げていただきました。

限られた時間の中で、たくさんご尽力いただいたほぼ日と印刷会社のご担当者の方々には、心から感謝しております。ありがとうございました。

この手帳カバー自身が、これからも1人でも多くの社員の近くにある存在として、活躍を続けてくれたらこんなに嬉しいことはありません。これからも、長く愛されるものをつくるという気持ちを忘れずに、クリエイティブに携わっていきたいと思います。あたらめてそう思うきっかけをくださったこのお仕事には、ありがたい気持ちでいっぱいです。(TBSテレビデザインセンター 三嶋さつき)

撮影:濱田英明さん

COLUMN ARCHIVE



#01
新ロゴができるまで

#02
TBSブルーができるまで

#03
タイププロジェクトさんとオリジナルフォント開発

#04
写真家・濱田英明さんにお願いしました

#05
TBSロゴアニメーション制作で考えたこと

#06
新しい展開がぞくぞくと!

#07
リブランディングメンバーをご紹介します!

#08
TBSの志を包むものを考える

#09
新人文系デザイナー日記

#10
時をしるすもの

#11
社内リノベーション

#12
SDGsウィークがはじまります!

#13
TBSNEWSとブランドデザインの密接な関係

#14
TBSグループは音のブランディングを始めました