この春から、TBSのロゴがつくもの全てがあたらしくなりました。名刺、社員証、中継車、機材に貼るシール、社員手帳、封筒、紙袋などなど・・・。その数は途方もない数になりました。デザインセンターでは、そのデザイン監修を担当しました。
2019年秋、TBSで働くみなさんが使う名刺、社員証のデザイン作業が始まりました。縦が良いのか横が良いのか、どちらがあたらしく見えるのか。はたまた使いやすいのか。TBSらしさを名刺で出すには?世代の幅が広い会社なので、文字は小さすぎると見えない?考えることは山ほどありました。社内アンケートも行い、たくさんのご意見をいただきながら作成していきました。
名刺や社員証のデザインは、オーセンティックさをとにかく大事に、どんな年代のどんな人でも使えるものを目指しました。その中で一番こだわったのは、名刺の青、いわゆるTBS ブルーです。機材の理由でCMYKのオンデマンド印刷しかできず、特色(コラム#3を参照してください)では印刷ができませんでした。でも、なるべく良い色を出したい。掲げた目標は、「CMYK印刷の色見本として使える名刺」でした。色見本はそもそもクリエイティブに関係する人くらいしか使いませんが・・・。印刷担当の方にご協力いただき、使用する紙の見直しと、青の校正を何回も出していただき、理想の青を目指しました。特色よりはどうしても沈んでしまう青ですが、なんども微調整していただきながら、この名刺は完成しました。
同時期に社員証のデザインにも取り掛かりました。こちらはこちらでカードに印刷をするので、ただの紙に印刷するようにはうまくいきません。名刺と呼応するようなデザインにしたかったこともあり、表は白面ですっきりと、裏は一面青にしてTBSブルーをしっかり印象付けるものになればと考えました。社員証に関しては、外からいらっしゃるお客様なども使われるものなので、その差別化なども必要だったりと機能面でかなりの工夫が必要としましたが、やはり裏面の青についてはとてもこだわって何度も何度もサンプルを出していただきました。この辺りから、だんだんと青だけ細かい色の判断ができるようになってきたような気がします。社員証の写真は、worksのページで濱田英明さんに撮影していただいたものがあります。ぜひご覧ください!(TBS デザインセンター 三嶋さつき)
2020年を明けてすぐ中継車のデザイン刷新の話がはじまりました。中継車とは報道番組やスポーツ番組で中継先の映像や音声をスタジオに伝送する車で、サイズ違い、機能違いでいくつもあります。
技術局の方にご協力いただき、デザインについて中継車を使う技術局と報道の取材部の方にもアンケートでご意見をうかがいました。中継先で他局の車両と並ぶことがあるので、その中から見つけやすくすること。街中を走る中継車はTBSのイメージにも繋がるため多少なりとも会社ロゴを認知してもらう役割になること。同時にTBSロゴが入った中継車は働く方々の意識的な部分にも関係してくること。などなど、アンケートから抽出できた中継車のデザインの役割から、潔く会社ロゴを大きく入れるというデザインに至りました。車両の側面には機材が収納されている扉がたくさんあるので、バランスの良いところにロゴを配置することに気をつけました。
実際の貼り替え作業では、毎日稼働している中継車もあるので、スケジュールを組んで1台ずつ丁寧に貼り替えていただきました。これまでの制作してきたものの中でこんなに大きなロゴを見るのは初めてでした。間近でみても白い車体に大きなロゴは迫力があってかっこよかったです。貼り替えたものから街中へ出ていったので、新ロゴが街中にお披露目になったのは中継車が最初だったのでは。
TBSストアに並ぶのブランドグッズ、その第一弾として「東京バターサブレ」というお土産商品を作りました。パッケージデザインの依頼が来たタイミングでちょうど緊急事態宣言が発表され、在宅勤務の中で制作に。
パッケージデザインをするにはやっぱり最初は中身を知りたい。サブレはどんな形?どんな色?どんな味?どんな工程で作られているの?情報を集めるもサンプル商品までは手元に届かず、メールでのやり取りと一枚のサブレの写真をヒントにデザインを考えました。
番組グッズとはちがいブランドグッズなので高級感でクールなトーンにするとお堅くなりすぎて気軽に手に取ってもらえないのではないだろうか・・・と思い、砕けすぎなくとも多少カジュアルなものを目指しました。また、中身がイメージできる方がお土産を選ぶときに嬉しいなと思い、サブレのイラストを並べ、ブランドの要素としてナナメ(23.4度/66.6度)も入れました。色校正のためのサンプルを自宅に送っていただいたりなど、担当の方のこまめなご対応は大変助かりました。ちなみにですが、パッケージを横に並べると文字や柄が繋がってますので、複数個お買い求めの方はその点もお土産話にしてみてください。
お買い求めはTBSストアまでどうぞ。(TBS デザインセンター 芦田佳子)