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TBSテレビ 企業情報

番組制作委託取引に関する自主基準

2003年12月10日制定
2005年03月07日改訂
2009年04月01日改訂
2016年04月01日改訂

TBSは、放送の社会的使命と責任を深く認識し、メディアの特性を十分に活用して、良質で豊かな放送番組の提供に努めることにより、文化の向上と普及に資することを切望している。

TBSでは、この目的の達成に向けて、外部の制作会社との番組制作委託取引においても、放送文化を担う対等な立場のパートナーであることを常に念頭に置き、緊密な相互の協力関係を維持発展させるとともに、公正性・透明性が確保された取引を積極的に推進することを基本姿勢とする。

このため、一般団法人日本民間放送連盟の「番組制作委託取引に関する指針」に基づき、特に制作会社に番組全体の制作・納入を依頼する取引(いわゆる完パケ発注)に適用となる「番組制作委託取引に関する自主基準」を以下のとおり定め、社内における周知徹底を図るものである。

※「完パケ発注」の完パケとは完全パッケージの略で、放送番組の一部ではなく全体の制作・納入を制作会社に委託する取引形態をいう。

番組制作委託取引についての基本的方針

  • 制作会社に番組制作を委託する段階で、速やかに著作権の帰属、制作費を含めた発注条件をできるだけ明確化して提示する。
  • 放送局と制作会社は放送文化を支える対等な立場のパートナーであることを忘れず、双方の希望を最大限実現する姿勢で委託取引の協議に臨み、相互に納得できる合意が得られるよう努力する。
  • 合意内容に対する認識の相違を避けるため、合意の成果を直ちに書面化することにより、可能な限り早期に契約書を締結する。
  • 委託取引が、独占禁止法、下請代金遅延等防止法ほかの関係法令を遵守した内容となるよう常に精査し、必要な場合には適宜修正を行う。

契約書に明記すべき事項

制作会社と締結する制作委託契約には、原則としてTBSの定型契約書を利用するものとし、主に以下の事項を明記する。

委託内容:対象番組の題名、放送予定、キャスト等を具体的に記載

題名、放送予定が決定されていない場合は未定と記載し、決定次第、連絡のうえ明記する。また、キャストのうち主役クラスに関しては、制作委託契約の前提条件となるケースもあり得るので可能な限り記載する。

制作会社の遵守事項:放送基準の遵守や安全管理義務等

制作会社の遵守事項として、放送の社会的公共性を考慮し、日本民間放送連盟放送基準とTBS放送基準を遵守した内容での番組制作と収録中の出演者、スタッフ、第三者に対する安全管理等を求める。

納入する物件:制作会社が納入すべき完成VTR等の物件の明確化と納入の場所、日時

制作委託契約の結果、制作会社がTBSに納入すべき各種物件と納入場所、日時を事前に明確化する。

委託対価の金額と支払い方法:原則として納入月の翌月末日支払い

番組制作が特に長期に及ぶ場合など委託対価の一部前渡しが必要と判断される場合には、具体的な金額、支払い日時、条件等を別途の特約で定めることもあり得る。

放送権:TBSが取得する放送権の地域、期間、回数

TBSをキー局とするJNN系列全国ネット(同時ネット、異時ネット、番販ネットを含む)で初回から放送される番組では、原則として、放送権の地域は日本全国を対象とする。この場合、放送権の回数とは、都道府県等それぞれの地域ごとに計算するものとする。また、放送権期間の起算時期は、番組(連続番組の場合は、その最終話)の初回放送日とする。

番組の目的外利用:番組の地上波放送以外への利用窓口と利用手順

想定される番組の目的外利用の項目ごとに、TBS、制作会社のいずれを利用窓口とするかをあらかじめ決めておくことは、目的外利用をいっそう活性化させるために望ましい。従って、契約時点で可能な限り、利用窓口を明確化させるように努める。やむを得ず未定とする場合には、新たな利用の要請が発生した時点で両者が速やかに協議し、利用窓口を決定する。

制作話数の増減:制作話数に変動がある場合の費用負担等の措置

キャストの病気や事故、天災地変等が発生した場合には、当初にTBSが制作委託した番組の話数に満たないうちに、制作を中止することがあり得る。その場合には、制作中止の理由、制作進行状況等を勘案のうえ費用の負担について決定する。

番組中の権利処理:制作会社の権利処理責任範囲

TBSが取得する放送権の地域、期間、回数において、番組を放送利用するための番組に含まれる著作権、著作隣接権等一切の権利処理を、制作会社は、自らの責任と負担においてあらかじめ行わなければならない。(TBSが著作権等管理事業者との協定により包括的に許諾されている、音楽と商業用レコードに関する諸権利を除く。)

返却方法:放送期間満了後のVTR返却と以後の保管

TBSは、前述の放送期間満了または放送権の回数終了後、番組が収録されたビデオテープを制作会社に返却する。制作会社では、番組の将来の利用のためにこれを良好な状態で保管する。

放送できなかった場合の措置:特別番組等により放送がなかった場合の取り扱い

重大事件の報道等の特別番組により、番組の一部または全部が放送できなかった場合には、TBSは、その番組を改めて放送することができる。これは、放送権の回数には含まない。

契約有効期間:契約各条項の効力を有する期間

損害賠償と解約:契約違反の際の措置

その他特約事項:個別の制作委託に応じた特別の取り決め

TBSの定型契約書の条文によらないことを双方が合意した場合には、特約としてその旨を定めることとする。

番組の目的外利用

番組の目的外利用に関する第三者への許諾窓口(いわゆる窓口業務)をTBS・制作会社のいずれが担当するかは、双方にとって特に重大な関心事であるが、番組価値の最大化の観点から、双方で十分に協議し決定することを原則とする。また、TBSが窓口業務の担当となった場合は、積極的に番組の目的外利用を推進するとともに、制作会社に対して、成果として得られた収益から、事前に合意した内容に従い配分金の支払いを公正に行うことを約束する。

※「窓口業務」とは、番組の目的外利用を第三者に使用許諾し、使用料等を徴収してこれを相手方に配分する業務をいう。

【参考】

番組制作委託取引に関する指針

平成15年3月 日本民間放送連盟

民間放送事業者は、放送の社会的責任と公共的使命を重んじ、公共の福祉の増進、文化の向上、社会・経済の発展のため、豊かでより良い放送番組の提供に努める。そのため、放送事業の根幹をなすとともに、いまやあらゆる伝送路を通じての提供が期待されている放送番組に関し、制作環境の一層の整備・充実を図り、流通システムの構築・円滑化等を進めることは極めて重要である。その実現にあたっては、放送番組の価値の最大化を目指し、対等なパートナーとしての番組制作事業者と放送事業者とが、さらに相互理解を深め、緊密な協力関係を維持発展させていくことが望まれる。 その一環として、テレビの番組制作委託取引にあたっては、言論・表現および放送番組編集の自由の確保を前提にしつつ、独占禁止法等の関係法令を遵守するとともに、以下の基本的な指針により、さらなる公正性・透明性の確保を行い、良質な番組の創造と活用を推進する。 なお、細目および各社ごとの具体的な取扱いについては、必要に応じ、各民間放送事業者が自主的に定めるものとする。

制作委託に関する基本事項

  • 番組制作事業者との番組制作委託取引にあたっては、委託取引の諸条件について双方十分に協議し合意のうえ、契約書などの文書化を行う。
  • 委託取引の契約書等には、番組制作の委託内容(制作本数、納入期日、放送予定日を含む)、代金支払いに関する事項、権利の取扱い、利用条件等について、合意した内容を明確に記載する。
  • 委託取引にかかわる代金については、委託内容、権利の取扱い、利用条件等に応じて、対価、支払時期、支払方法等の諸条件を適正に取り決める。
  • 当初の契約目的外の利用については、制作実態、代金等の契約条件に応じて、利用にあたっての手続きや相手方との交渉・契約の仕方(いわゆる窓口業務等)、利益配分その他の諸条件を十分協議のうえ、適正に取り決め、流通の円滑化と効率化に努める。
  • 当該契約の内容や履行に関して、想定外の事情や疑義等が生じた場合は、双方誠意をもって解決を図り、必要に応じて誤解のないよう文書により確認を行う。

取引に関する基本姿勢(関係法令等にもとづく例示)

  • 正当な理由がないにもかかわらず、委託した番組の受領を拒むことはしない。
  • 制作委託の目的および取引条件に照らし、一方的で不当なやり直しを要請することはしない。
  • 当該制作取引と併せて、関わりのない他の取引や役務の提供を強要することはしない。
  • 番組制作に関わる物品や役務の指定にあたっては、十分に協議のうえ合理的な範囲で取り扱うこととし、購入や利用を一方的に強制することはしない。
  • 取引にあたっては、やむを得ない事情により編成変更などが生じた場合の措置方法や不測の事態に備えた双方の役割と義務等も必要に応じて協議し明確化する。

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