トップメッセージ
私たちTBSグループは来年2026年、創立75周年を迎えます。
企業の寿命は一般的に30年と言われますから、これはかなりの長命と言えるでしょう。それもひとえに、皆様から賜りましたご信頼とご愛顧のおかげです。あらためて心から感謝申し上げます。75歳といえば、人間にたとえると、蓄積した豊富な経験を人々に分かち合い、分別ある人間性によって周囲から尊敬されることを目指す年代です。私たちはこれまでの経験と知見の蓄積を生かし、放送の枠を超えた視野で社会に貢献し、より良き社会の実現に役立つグループでありたいと考えています。
私たちが見据えるのは、「幸せ・生きがい・健康」という「ウェルビーイング」にあふれる未来づくりです。
当社グループは、占領下に祖業のラジオ放送を興した際、「国家再建に文化創造で貢献する」という高い志を掲げました。それにならえば、今、私たちは「日本をウェルビーイングのリーディングカントリーとして発展させたい」と真剣に考えています。そのためにTBSグループは、「教育・IP・グローバル」をウェルビーイング増進の新たな柱といたします。
教育
教育は言うまでもなく国づくりの礎です。私たちは常に米百俵の精神(※注1)で百年の計を立て、力を注がねばなりません。現代における教育、その鍵は何でしょうか。私たちは「学ぶことは楽しい」という文化を広げることを手掛かりにしたいと考えます。ラジオ・テレビ部門は「知的エンタテインメント」をお家芸とし、クイズ番組や紀行番組を数多く創出してきました。
これからは、教育(エデュケーション)と娯楽(エンタテインメント)を融合させた「エデュテインメント」に力を入れ、AI学習支援ツール「AI for School」や『教育版マインクラフト』との連携を通じ、子どもから大人までが主体的に学び、未来への自信と希望を育む社会を創ってまいります。
IP(知的財産)
知的財産は、放送を核とする当社グループの宝です。当社が創案した『風雲!たけし城』や『SASUKE』は世界各国で愛され、2028年のロサンゼルス・オリンピックでは、『SASUKE』を基に考案された競技が正式に採用されることになりました。さらなる創造のために新会社「SAND B」を設立し、デジタル領域の強化を図るとともに、Z世代に人気の新感覚動画プロデュース会社「ケイコンテンツ」をグループに迎えました。
グローバル
米国・韓国に拠点を設け、世界のエンタテインメント企業との協業を進めています。海外戦略会社THE SEVENでは、『今際の国のアリス』Season3がNetflixで世界的ヒットとなり、TBSの制作力があらためて世界に認められました。今後も日本から世界へ、世界から日本へ。「グローバルコンテンツのTBS」と呼ばれる日を目指し、挑戦を続けます。
「赤坂」から「AKASAKA」へ
私たちはテレビ揺籃の原点から、新たな創造へと歩みを進めます。すでに「一般財団法人 赤坂クリエイティブ財団」を設立し、当社の周囲をクリエイティブの視点で大胆に再開発する挑戦を始めています。赤坂エンタテインメント・シティを構築し、街の文化的価値を高め、日本のクリエイティブを象徴する「AKASAKA」へと育てていきます。
「幸福な挑戦」を未来へ
現在、TBSグループは「メディア・コンテンツ」「ライフスタイル」「不動産・その他」の3部門にわたり、32社・8000人がそれぞれの職場で、それぞれの仕事に取り組んでいます。その一人ひとりが胸に刻むブランドプロミスは、「最高の”時”で明日の世界をつくる」です。放送でも、生活雑貨販売でも、オフィスビル運営でも、一人ひとりが自らの場で最高の“時”を創造するという高い志を抱いています。
「最高の時を目指す」という志操は、TBSグループ創業以来の社訓「最良たれ!」の信念を、心新たに抱き直すものです。私たちグループの社員一人ひとりはプロフェッショナルとして、日々「自己ベスト」を更新する気持ちで仕事に臨みます。誠実に最良を目指す日々の積み重ねこそが、社会のウェルビーイングへの一助となる。それはまさに「幸福な挑戦」です。
TBSグループは、時代を超えて「幸福な挑戦」を続け、日本と世界に貢献してまいります。これまでのご愛顧に加え、これからの私たちにも大いにご期待ください。何卒よろしくお願い申し上げます。
※1 戊辰戦争後、長岡藩の窮状を知った三根山藩から見舞いの米百俵が贈られたものの、長岡藩の大参事・小林虎三郎は百俵の米を売却。その資金で学校を設立し、多くの人材を輩出した。
株式会社TBSホールディングス
代表取締役社長
阿部 龍二郎