1951年、東京地区最初の民間放送局としてTBSの前身「ラジオ東京」は、呱々の声をあげました。
夢を描き、志を強く抱いたその日、希望とともに掲げたラジオ東京の「社旗」には純白な気持ちと、青空に羽ばたくイメージの如く、「白・青」が纏われていました。
それから70年。社旗やシンボルにはいつの時代にも「青」が使われてきました。
メディア環境が大きく変化している今こそ、創業以来の思いをしっかりと受け継ぎ、私たちの手で時を刻み、これからの未来を切り拓いていきたい。
その思いを込め「青」を基調としブランドロゴを作成しました。
地球の大部分をしめる海や、見上げれば世界中に続く空の色でもある「青」。
「青」は、人が目に見える光(可視光線)のうち、最も強いエネルギーをもった色としても知られています。これから先の未来も時代を超えて、新しい最高の価値を提供し、世界に向けて変化や挑戦を恐れない私たちでありたい。そのような強い気持ちで、「TBSブルー」とともに歩みたいと考えています。
社内ブランディングのため設置したポスターのひとつに、カラーへの思いが込められたものがつくられたほど、このブルーは大切なものなのです。
※「青い色・光」は、可視光線の中で、1秒間あたりの振動数が最も高いため、エネルギーが高い。そのため、例えばガスの炎の中でも最も温度が高いのは赤い炎ではなく青い炎の部分である。
ロゴデザインのかたちの考え方と同様に、『どの場面でもなじむシンプルな色』と『モニターで最大化される色』が必要とされました。
フレッシュで爽やかでありながら、海のように深くて地に足ついた普遍的な青を探しました。
また、印刷の基準値CMYKではなく、モニター上の基準値RGBに重きを置いて、より強く鮮やかな青を目指しました。
印刷でこの青を再現するのはかなり困難で、特色指定で何度も色校正を繰り返し、オフセット印刷、オンデマンド印刷それぞれで何度も試作を重ね、ようやく印刷でも納得のいく色にたどり着くことができました。
(TBS デザインセンター 船山和歌子)
選んだ5色は世界共通で訪れる朝・昼・夜の「時」の中で移り変わる自然の色から抽出したものです。TBSブルーとの相性と、ブランドカラーとして明日・未来を感じさせる爽やかな色を目指しました。
朝焼けで染まる空、晴天の下の鮮やかな花、夕方の眩しい太陽、などなど。まずは世界各地のいろんな時間帯の写真をかき集めました。どこまでも素敵な色は出てくるので、どこまでも楽しい作業でした。その中から、TBSブルーとの相性も考慮した厳選した5色、使いどころはいろいろ。
ブランド関係の制作物は基本TBSブルーで統一感を出しつつも、緊急・注意・ニュース・おすすめなどポイントとなる情報にはアクセントカラーが役立っています。
ドラマ・バラエティ・情報・報道・スポーツ…などコンテンツのジャンル分けもアクセントカラーを使い分けることで識別させたり、サービスロゴに使用する色もTBSブルーにアクセントカラーを組み合わせたりすることで、ブランドロゴとしての一貫性とひとつのサービスとしての特徴づけに効果を発揮しています。
今後のコラムに出てくるブランド制作物に使われているかもしれません、ご注目を。
(TBS デザインセンター 芦田佳子)