番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2017年12月18日(月)開催 / 第611回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)審議事項
 1)今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について
    資料に基づき、年末年始の特別番組について説明を行った。
    特定の番組を対象とせず、TBSの番組やテレビ界の現状に関して幅広く審議を行った。
 2)その他
(2)事務局報告事項
 1)次回審議会の議題・日程及び2018年度の日程について

出席者(敬称略)

委員長音好宏 
副委員長中江有里 
委員嵐山光三郎 石田衣良 尾縣貢 萱野稔人 喜田村洋一 佐藤智恵 田渕久美子 藤原帰一 

局側出席者

 TBSテレビ

 武田社長

 津村取締役

 伊佐野取締役編成局長

 岩田報道局長

 島田情報制作局長

 渡辺制作局長

 藤田編成考査局長

 鈴木編成考査局視聴者サービス部長

 岩村番組審議会事務局長

委員の主な発言

◇今年印象に残ったTBSの番組
○「3・11 7年目の真実」
毎年3月11日はザッピングしながら、どんな番組がオンエアされるか注意しているが、今年はTBSの特番が最も充実していた。継続性、検証の深さと新しい角度を今後も期待する。
○「サンデーモーニング」
一つの出来事・事件を多彩なコメンテーターがいろいろな立場から解説しており、自分自身の判断を適切なものにしてくれる。政府の見解や力のある政治家のコメントに対しても、それぞれのコメンテーターが持論を曲げずに議論ができている。ぜひ中立の立場でこれからも番組づくりに取り組んでほしい。
○「報道の日2016」
昨年末にオンエアされた番組だが、トランプ大統領一人によって現代社会が揺さぶられ、それに対抗する「潜行するテロ」が世界中を震撼させている今という時代を先見し、象徴するような番組になっていたと思う。
○「世界陸上ロンドン」
ウサイン・ボルトのラストランがドラマよりもドラマティックで印象に残った。「世界陸上」は日本人選手だけでなく、世界の選手の情報を伝えることにより、スポーツを通して「世界」を伝えることができる大事なコンテンツだと感じる。
○金曜ドラマ「コウノドリ」
医療と患者の実像を丁寧に描いたドラマとして好感が持てた。現場取材に基づいたディテールを大切にした作りで、産後うつ、出生前診断、子宮頸がんワクチンの問題など、難しいテーマを果敢に取り上げ、見せるドラマに仕上がっていた。
○「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」
最初は、「どっきりカメラ」のようなものかと思っていたが、「もしも〜だったら」を、視聴者だけでなく出演者も一緒に楽しむというのがコンセプトで、だまされた人が「モニタリング」だったと教えられると「いやだ〜」と言いながらも笑っているので、見ていても気持ちが爽やかになる。こういう風に、楽しく笑える番組は気持ちがよい。

◇今年のTBSや放送界全般に望むことや指摘したいこと
○ 朝から晩まで情報番組、ニュース番組を放送し続ける編成はなんとかならないか。特に昼間の時間帯はどの局でも同じようなワイドショーが放送され、辟易する。せめてTBSは、ドラマやバラエティの再放送を検討するなど、他局とは違う戦略的な編成にしてほしい。
○お笑い芸人を大量に出演させるひな壇形式のバラエティ番組の次のスタイルを作りあげてほしい。視聴者の成熟にふさわしいバラエティに期待する。
○ タレントの不倫や相撲協会の内紛はニュースではない。ワイドショーとはいえ、現在の放送時間のボリュームは、いかにもアンバランスで、ぜひ再考を願いたい。
○朝から夕方まで生放送の番組が続く形となったことで、ニュース番組と社会情報系番組の垣根がより低くなったように感ずる。今年は、森友・加計問題や秘書への暴行疑惑、不倫疑惑など、社会情報系番組が個々の政治家にまつわるニュースを積極的に取り上げたが、オーソドックスなニュース番組もそれに引きずられて、これらのニュースが情緒的な扱いになりがちだったように思う。本来、もっと報じるべき問題や争点などへの深掘りが弱くなっていたように感ずる。
○SNSなどを通じて、根拠のないデマが広がり、客観性のある報道に対して「嘘ニュース」などという誹謗が続けられている時だからこそ、信頼できる報道が必要である。TBSには、何よりもそこを期待したい。現場の一人一人が脇を締めて報道活動、番組制作に向きあうのはもちろんだが、社として現場が萎縮することのない体制を整えるとともに、放送人の矜恃を感じさせる番組を積極的に送り出してほしい。
○「ビビット」など、BPOから指摘を受ける番組が出たことはたいへん残念である。BPOで扱われた案件については、番組審議会でも議題とし、TBS側から報告を受けたが、BPOの指摘を真摯に受け止め、再発防止に努めてほしい。

(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)