番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2016年12月19日(月)開催 / 第600回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)報告事項
 BPO放送倫理検証委員会が、2016年6月19日の「珍種目No1は誰だ!?ピラミッド・ダービー」の「双子見極めダービー」について、「放送倫理違反」という判断をした件を報告。TBSでは、このBPOの「意見」を厳しく受け止め、番組制作の体制の改善に努めていく、と述べた。
(2)審議事項
 1)今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について資料に基づき、年末年始の特別番組について説明を行った。特定の番組を対象とせず、TBSの番組やテレビ界の現状に関して幅広く審議を行った。
 2)その他
(3)事務局報告事項
 1)次回審議会の議題及び年間の日程について

出席者(敬称略)

委員長藤原作弥 
副委員長音好宏 
委員嵐山光三郎 石田衣良 佐藤智恵 竹田恆和 田渕久美子 中江有里 藤原帰一 (寺島委員欠席) 

局側出席者

 TBSテレビ

 武田社長

 佐々木常務

 津村取締役

 伊佐野編成局長

 岩田報道局長

 島田情報制作局長

 渡辺制作局長

 田代スポーツ局長

 藤田編成考査局長兼視聴者サービス部長

 齊藤番組審議会事務局長

委員の主な発言

◇今年印象に残ったTBSの番組
○「99.9─刑事専門弁護士─」
オリジナル脚本であることと、俳優陣の演技の素晴らしさ、そして制作スタッフのドラマ作りにかける熱意が印象的だった。自分たちの信じる「面白いドラマを作る」という姿勢が番組全体から立ち上っていた。
○「逃げるは恥だが役に立つ」
・恋愛ドラマは視聴率がとれない、と言われる中、お手本を示したドラマ。「いけてない」津崎平匡が「美女」森山みくりに好かれるという設定に希望を見出した人が多いのでは。職場環境やプライベートの描き方もとてもリアルだった。
・軽いタッチで描きながら現代の結婚や仕事、社会状況をするどく捉えた内容に強く惹かれた。ネットによって恋ダンスが拡散されて、視聴者を集めたことも成功の要因。
○「ニュース23」
先だっての安倍総理出演の回での星キャスターのインタビューがとてもよかった。総理大臣が出演するにあたり、キャスターには無言のプレッシャーがかかるのではないか、と思ったが、星キャスターは総理に鋭い質問を投げかけていた。緊張感のある場面で星MCの強さが垣間見えた。
○「報道の魂」
夏に放送した「米軍が最も恐れた男〜あなたはカメジローを知っていますか」、「ヘイトスピーチ根絶へ〜伝え続ける『共に生きよう』という言葉」はTBSらしい力のこもったドキュメンタリーだった。
○「ひるおび!」
10時25分スタートになったのをいつも見ているが、絶好調。恵さんとお天気の森さんのかけあいは漫才より面白い。立川志らくさんもだんだんなれてきて、いい味が出てきた。
○「クレイジージャーニー」
ダークな題材を扱っている点も、MC3人+ゲストだけというスタジオの妙な閉塞感もこれまでになかったもの。ドキュメンタリーとも情報バラエティともつかない作りがユニーク。MC3人の真剣でなまなましい反応もこの番組の魅力。

◇今年のTBSや放送界全般に望むことや指摘したいこと
○ミステリーや事件物のドラマが盛んだが、芸術性やドキュメンタリー性の高いドラマでも視聴率の高い番組は可能なはず。もっと実験的野心作に挑戦してみてもよいのではないか。個人的希望としては、戦争の記憶を風化させないテーマ意識を持ったドラマやドキュメンタリーをお忘れなく、と付記しておきたい。
○TBSは世界を席巻するような番組をどんどん作って下さい、と提言したい。日本でテレビ番組を制作していると、どうしても国内市場ばかりに目がいくが、あらゆる番組は海外展開できる、という気持ちで制作してほしい。
○こういったご時世だからこそ、脇を締めて取材・報道活動に向きあうのはもちろんだが、現場が萎縮することのないように体制を整えるとともに、放送人の矜持を感じさせるような番組を量産して欲しい。他方においてBPOからお叱りを受ける番組が出たことは大変残念。BPOの指摘は真摯に受け止め、再発防止に努めていただきたい。
○日本の映像コンテンツを考えるとき、既存の放送事業者の担うべき役割は大きい。将来像の話ではついついビジネス論に偏りがちだが、日本の多様で豊かな映像文化を担う中心的なプレーヤーとして、その文化的な価値を大切にした通信と放送の融合したメディア空間を作るよう心がけて欲しい。

(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)