このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。
2016年6月20日(月)開催 / 第595回番組審議会より
「日曜劇場99.9?刑事専門弁護士?」 第7話5月29日(日)放送分について
(1)審議事項
1)「日曜劇場99.9?刑事専門弁護士?」 第7話5月29日(日)放送分について
2)その他
(2)事務局報告事項
1)視聴者からの声について
2)次回審議会の議題及び日程について
委員長 | 藤原作弥 |
副委員長 | 音好宏 |
委員 | 嵐山光三郎 石田衣良 佐藤智恵 竹田恆和 田渕久美子 寺島実郎 藤原帰一 (中江委員、欠席) |
TBSテレビ
武田社長
佐々木常務
津村取締役
伊佐野編成局長
岩田報道局長
安藤編成考査局長
渡辺制作局長
十二制作局ドラマ制作部長
瀬戸口制作局ドラマ制作部長代理
齊藤番組審議会事務局長
藤田編成考査局視聴者サービス部長
◇このドラマは作り手の手堅さと安定した俳優陣でしっかりつくっている。とりわけ今回の犯人役の高嶋政伸の不気味なキャラが生きていて、それなりのインパクトのあるものになっている。
◇「99.9」を見て、ようやく日本でも本格的なクライムコメディーが制作されたと思った。せっかく当たるフォーマットドラマを開発されたのだから、ぜひ続編を作っていただきたい。
◇松本潤さん演じる深山弁護士と香川照之さん演じる上司の弁護士のかけ合いが非常に面白く、その二人の間で榮倉奈々さんの存在がすごく重要で、うまく調和がとれていた。同僚弁護士役の藤本隆宏さんの演技も光っていた。
◇このドラマは脚本のテンポがすごくいい。松本潤の深山の事実を追求しようという立場と香川照之の佐田のお金優先の立場が絡み合ってうまく流れていく。弁護士コメディーとして新しい分野を開拓したと思う。
◇このドラマは脚本と演出がいい。脚本はミステリーのような組み立てでありながらコメディーを組み合わせていて、同時にそれぞれのキャラクターに様々な癖を持たせている。演出は早いショットを畳みかけ、そこからスピードとリズムをつくっている。
◇ユニークで非常に完成度の高いドラマ。原作ものが多いなかで、オリジナルな脚本でこれだけの作品ができ上がったのは本当にすばらしい。キャスティングも適材適所で、とくに榮倉奈々さんが自然で、チャーミングで、華があって、細かいリアクションもよかった。
◇法律事務所や居酒屋などコミカルなシーンは確かに笑えるが、ちょっとくどいな、という気がした。ミステリーの部分も決め手となるトリックが余りなくてちょっと弱いと思う。
◇TBSのドラマの中で「日曜劇場」の枠は、以前はちょっと時代を先取りした問題提起型のものが多かったが、「半沢直樹」あたりから、ややスピード感のある勧善懲悪風なものが非常に増えてきた。「99.9」もそのタイプだが、スピード感を求めるあまり展開に少し無理があるところもあると思う。
◇「99.9」は高級なドタバタ喜劇のようにも見えるが、警察・検察という国家権力と、ほとんど民間人から成る弁護士の、官と民との戦い、お上と庶民との対立、強者と弱者の構図、そういったものを浮き彫りにしようという意図がエンターテインメントの陰に潜んでいる。それが今回のシリーズの最大の特徴だと思う。
(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)