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番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。
2015年9月14日(月)開催 / 第586回番組審議会より
「TBSテレビ60周年特別企画 レッドクロス〜女たちの赤紙〜」 8月1日(土)・2日(日)放送分について
(1)審議事項
1)「TBSテレビ60周年特別企画 レッドクロス〜女たちの赤紙〜」 8月1日(土)・2日(日)放送分について
2)その他
(2)報告事項
1)2015年度下半期の編成方針
(3)事務局報告事項
1)視聴者からの声について
2)次回審議会の議題及び日程について
委員長 | 藤原作弥 |
副委員長 | 音好宏 |
委員 | 嵐山光三郎 石田衣良 河野栄子 田渕久美子 寺島実郎 中江有里 藤原帰一 (竹田委員、欠席) |
TBSテレビ
武田社長
佐々木取締役
津村取締役
伊佐野編成局長
西野報道局長
安藤編成考査局長
荒井制作局長
十二制作局ドラマ制作部長
瀬戸口制作局ドラマ制作部長代理
伊與田制作局「レッドクロス」プロデューサー
齊藤番組審議会事務局長
藤田編成考査局視聴者サービス部長
◇このドラマは、国際赤十字の女性たちを主人公に選んだことがすばらしい着眼点。ただ、主役のキャラクターが余りにも理想家肌で、見ていてだんだんしんどくなった。もう少し彼女の気持ちや表情が華やぐような演出があってもよかったのではないか。
◇松嶋菜々子さん、西島秀俊さん、山﨑努さん、鶴瓶さんなどオールスターキャストで、大がかりな中国ロケを行うなど、非常に力の入った作品。ドラマ性の高い素材をできる限り網羅しようとして、盛りだくさんな脚本になっているが、絵づくりは意外と標準的だった。
◇松嶋菜々子さんの鬼気迫る一瞬の表情が良かった。ただ、もっと心に残るせりふを工夫すれば、母と子の別れや再会のシーンがもっともっとせつないものになったと思う。
◇戦争がもたらすものと、国が道を間違えることがどれほどの悲劇を生むかということについて、非常に厚みのある人間ドラマになっている。中国残留日本人孤児という重いテーマにもよく取り組んだ。
◇女性が主人公の大作でヤマ場の連続だった。全編を通じて、戦争は懲り懲りだ、ぶざまでも生きていって、諦めない、この3つのメッセージが込められていた。
◇全体的に戦争の悲惨さ、関東軍のひどさ、もう戦争は懲り懲りだという制作者の思いがすごく伝わってきて、手に汗を握って見たが、公開処刑や人身売買のシーンはちょっとやりすぎのような気がした。
◇松嶋菜々子さんが患者の看病をしている姿からは、人を救いたいという思いがひしひしと伝わってきた。登場人物のせりふの言い方や雰囲気がちょっと現代的で余り当時の時代性が感じられなかったのは残念。
◇このドラマは中国の人々を非常に多面的に描いている。彼らの加害者性と被害者性を両方とも出していて非常によかった。一方、主人公については、赤十字精神とナショナリズムの内面の葛藤などが余り描けていなかったと思う。
◇満州の夕日が沈む平野などロケの場所をよく選んでいたし、時代考証のチェックも十分なされていた。ただ子供を人身売買するシーンは、昔の奴隷市場みたいでちょっとオーバーだと思う。
(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)