このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。
2015年6月15日(月)開催 / 第584回番組審議会より
「TBSテレビ60周年特別企画『日曜劇場天皇の料理番』」第6話5月31日(日)放送分について
(1)審議事項
1)「TBSテレビ60周年特別企画『日曜劇場天皇の料理番』」第6話5月31日(日)放送分について
2)その他
(2)事務局報告事項
1)視聴者からの声について
2)次回審議会の議題及び日程について
委員長 | 藤原作弥 |
副委員長 | 音好宏 |
委員 | 嵐山光三郎 石田衣良 河野栄子 竹田恆和 田渕久美子 寺島実郎 中江有里 藤原帰一 |
TBSテレビ
武田社長
佐々木取締役
津村取締役
伊佐野編成局長
西野報道局長
安藤編成考査局長
荒井制作局長
十二ドラマ制作部長
石丸「天皇の料理番」プロデューサー
齊藤番組審議会事務局長
藤田編成考査局視聴者サービス部長
◇よくできたドラマ。とくに脚本がよくできている。会話のテンポがよくて楽しい。キャストも大変豪華で、主役の佐藤健さんの周りを小林薫さんや佐藤蛾次郎さんなどベテランが固めている。高岡早紀さんもうまい。
◇問題児だった秋山篤蔵が料理の道に進むが、挫折して壁にぶつかる。その時まわりの人たちから人生の生き方を教わって成長していく、という話。篤蔵が大きな夢に向かって真剣に努力するところに共感できた。
◇「天皇の料理番」は、人が生きることは本当に素晴らしいんだという、ドラマが描くべき原点を随所に感じさせてくれた。明治後期から大正にかけての近代日本の青春時代の輝かしい息吹も画面から伝わってきた。
◇完成度の高いドラマで、佐藤健さんの涙の本物感が心を打った。ただ、その時代を調べたことのある人間からすると、1912年のパリがどれだけちゃんと描けていたかはやや疑問。
◇佐藤健さんが、いい加減な駄目男に真正面から挑んだのがいい。佐藤さんの底力を感じた。黒木華さんもたたずまいが実によろしい。鈴木亮平さんが演じる兄の周太郎は、篤蔵が輝くために陰になっていく人間で、いわばこのドラマの陰の主人公だと思う。
◇作り手が一生懸命やっていることが伝わってくる、気持ちのいいドラマ。何といっても杉森久英さんの原作が良かった。俳優では華族会館のシェフの小林薫がよかった。彼はああいう板前とか料理人の役をやらせるとうまい。
◇鈴木亮平さんの演技が素晴らしかった。体重を落として非常にやつれた様子で篤蔵に夢というより、命を託すという演技が心に響いた。
◇今回の第6話は、物語の人間関係の全てが、一番いい形でクライマックスを形づくる中盤のピークになっている。今のテレビドラマの水準の高さを証明するようないい出来だと思う。
◇非常によくできたドラマだが、福井から東京に出てくる距離感や東京からパリに行く時の当時の距離感がもう少し表現されているともっと良かったと思う。
◇主人公が天皇の料理番になる立志伝の物語は、個人のサクセスストーリーであると同時に、日本の食文化の成長の物語でもある。そこにさまざまな登場人物のストーリーが絡み合ってユニークで面白い作品になっている。
(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)