番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2014年12月15日(月)開催 / 第578回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)審議事項
 1)今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について
 2)その他
(2)事務局報告事項
 1)次回審議会の議題及び日程について

出席者(敬称略)

委員長藤原作弥 
副委員長音好宏 
委員嵐山光三郎 石田衣良 河野栄子 田渕久美子 寺島実郎 藤原帰一 (欠席北村委員・竹田委員) 

局側出席者

 TBSテレビ

 石原社長

 新田常務

 佐々木執行役員

 津村取締役・編成局長

 西野報道局長

 西崎情報制作局長

 荒井制作局長

 水田スポーツ局長

 安藤編成考査局長

 齊藤番組審議会事務局長

 河野視聴者サービス部長

委員の主な発言

◇今年印象に残ったTBSの番組
○「テレビ未来遺産震災直後・・・生死を分ける72時間になすべきこと」
TBSテレビのドキュメント (報道) は、資料としてとっておく価値がある。
○「報道の魂最後の特攻〜彼らはなぜ飛び立ったのか」
なぜ、玉音放送後に特攻機は飛び立たねばならなかったのか、元隊員らの証言をもとに再現する。戦争と個人との関係性をあぶり出すなど、視点の確かさと、問題提起力を感じた。
○「報道特集」
イスラム国に向かう若者たちの番組はよい切り口だった。
○「ひるおび—ひるトク—」
タイムリーな時事ネタをピックアップして解剖し、専門家の見解を交えて事の経緯や関連を分かりやすく解説してくれて、とても参考になる。
○「テレビ未来遺産遠い約束 〜星になったこどもたち〜」
日本の過去の<負>の遺産「戦争」を将来のための<正>の教訓とする — という意味で、このドキュメンタリー・ドラマを「未来遺産」のカテゴリーで取り上げたものと拝察した。TBSの問題意識に今度とも期待したい。
○「おやじの背中」
文芸的なドラマをしっかり作るというTBSらしい企画シリーズだった。いまの日本のテレビドラマの水準を知る上でも面白かった。
○「アジア大会2014」
スポーツの世界から、もっとアジアに注目を集めるために、この番組は大きな力を果たしたと思う。中国・韓国とはいくつもの問題を抱えているが、スポーツ・文化・経済といった外堀から埋めていき新たな友好を築くのが肝要だと思う。
○「ニンゲン観察バラエティモニタリング」
ニンゲン観察バラエティは貴重なデータ。
○「林先生VS.世界の超天才〜異次元の極限頭脳〜生きざま大辞典SP」
人類の未知の壁を突き破ってきた人たちのスリリングな生きざまに感動した。実物の映像が残っていてそれを見ることができるというテレビの力も再認識させられた。

◇今年のTBSや放送界全般に望むことや指摘したいこと
○「報道・情報」について
「未来遺産」や「千の証言プロジェクト」など骨太の大型連続企画を打ち出す姿勢や良し!デイリーは「あさチャン!」「いっぷく!」「ひるおび!」「Nスタ」「ニュース23」のラインアップに一つの流れが出てきたようだし、ウィークリーにも「報道特集」「情報7daysニュースキャスター」時事放談」「サンデーモーニング」・・・という流れに一貫性が感じられる。

○テレビ界は多チャンネル化のほか、NHKのネット配信参加もあり、ますます戦国時代化していくだろう。だが、視聴率や経営の収益性もさることながら、常に量(数字)より質を重視し、かつ時代の変化に対応し、イノベーションに努力した者が生き残ることは、歴史が証明している。

○民放に関していえば、そのビジネス構造が景気連動型のメディアであることもあって、アベノミクス効果で恩恵を受けている大手企業が広告主である民放の収益は上向き傾向にあるが、社会全体の閉塞感、社会格差の拡大は多くのところで指摘されるとおりである。テレビは、社会の弱者を味方するメディアであり続けてほしい。

○・ひるおび、好調ですね。わかりやすい報道番組が期待されます。
 ・ドラマ、期待しております。
 ・<老人活劇ドラマ> を作ってほしい。(テレビを見ている人は老人が多い)

○日本のマスコミ界全体が、保守・伝統回帰を強めているようです。テレビの世界でも日本文化礼賛の番組が非常に目につくようになりました。
TBSに期待するのは、変化する時代のなかで硬直的でない新しい革新の一翼を視聴者とともにつくりあげることです。どのような政治体制・文化状況であれ、より多くの選択肢と開かれた議論は欠かせないものです。

○2時間枠の番組が増えているように見受けられるが、内容的に間延びしているような印象を受ける。制作コスト、CM収入等経営上の事情があるかもしれないが、1時間の枠で中身が充実している方が良いと思う。

○例えば、一つのテレビ局が『世界、なぜそこに日本人』、別の局が『世界、こんなところに日本人』という、タイトルも内容もほぼ同じような番組がある。
テレビ界全体のことを考えるとこれは好ましいことではないと思うのだが・・・。

○国際報道が著しく少なくなってしまいました。ここはぜひ改めていただきたいと思います。

(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)