番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2013年10月21日(月)開催 / 第565回番組審議会より
「日曜劇場『半沢直樹』」9月15日放送分・9月22日放送分について

議題

(1)審議事項
 1)「日曜劇場『半沢直樹』」9月15日放送分・9月22日放送分について
 2)その他
(1)報告事項
 1)番組種別公表制度に基づく4月から9月までの放送実績について
(3)事務局報告事項
 1)視聴者からの声について
 2)次回審議会の議題及び日程について

出席者(敬称略)

委員長藤原作弥 
副委員長野口祐子 
委員嵐山光三郎 石田衣良 音好宏 竹田恆和 田渕久美子 寺島実郎 (北村委員、河野委員欠席) 

局側出席者

 TBSテレビ

 石原社長

 武田専務

 信国常務

 佐々木執行役員・編成局長

 西野報道局長

 河本編成考査局長

 石川執行役員・制作局長

 那須田制作局ドラマ制作部長

 伊與田制作局「半沢直樹」プロデューサー

 齊藤番組審議会事務局長

 河野編成考査局視聴者サービス部長

委員の主な発言

◇勧善懲悪の小気味のいいストーリーで、登場するキャラクターもキャラが立っていて面白かった。ただストーリーは会社主義の典型で、結局は今の社会秩序の再生産をしてしまった物語だったのではないか。

◇TBSのドラマの底力を見せられて、大変楽しかった。社会現象にもなったが、香川照之さんが演じた大和田常務の土下座シーンは、戦後ドラマの中の傑作になった。

◇メガバンクのサラリーマンである半沢直樹のドラマチックな活躍は、多くの矛盾を感じ、プレッシャーに押し潰されそうなサラリーマンの人たちにとって大変痛快なドラマだった。続編を期待したい。ただ大和田常務の振る舞いは極端で、ちょっとわざとらしいところがあった。

◇ヒットした理由は徹底したわかりやすさ。悪役はいかにも悪役然としているし、俳優さんの滑舌も皆すばらしかった。そして何ともいえない魅力のある堺雅人さんを起用したことが最大の成功の要因。ただラストシーンの演出はちょっと余韻が足りないような気がした。

◇脚本、演出、技術、役者などこのドラマに関わった人たちがうまくかみ合い、全体として勝てるチームになったと思う。社会の構造的な悪は描けていないが、変に理屈っぽく時代に正面から戦いを挑む、というのではない部分がかえって良かったのではないか。

◇大和田常務という「個人」に悪をすべて集約させてしまうことでドラマを盛り上げ、わかりやすくした。それは成功したが、構造的な悪にも目配りするとさらにすばらしいドラマになると思う。

◇現代ドラマだが時代劇風でもあり少年漫画風でもある。悪役をできるだけ強く、タフにしたのが成功の原因。こういう経済もののドラマは女性に受けない、というステレオタイプな見方を見直すいいキッカケになったのでは。

◇「半沢直樹」はポストバブルの閉塞社会の様々な問題を抽出した社会派ドラマであると同時に、良質なエンターテインメントになっている。堺雅人の涙が自然に出てくる演技、香川照之の歯ぎしりの演技、片岡愛之助の目の演技などどれもすばらしかった。

(以上文中:敬称略)
TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)