番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2008年12月17日(水)開催 / 第514回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)報告事項
 1.年末・年始の特別編成の内容について
(2)審議事項
 1.今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について
 2.その他
(3)事務局報告事項
 次回予定及び審議事項について

出席者(敬称略)

委員長月尾嘉男 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 野口祐子 藤原作弥 横澤 彪 (山藤委員 欠席) 

局側出席者

 井上社長

 城所専務

 石原取締役

 衣笠常務

 石川TBSテレビ編成制作本部長

 伊藤編成考査局長

 吉崎TBSテレビ編成局長

 神谷TBSテレビ報道局長

 三角TBSテレビスポーツ局長

 谷内番組審議会事務局長

今年印象に残ったTBSの番組

◇筑紫哲也氏追悼番組

TBS報道の柱だったNEWS23を支えた筑紫氏の死は一つの時代の終わりを再確認させ
た。

万感迫るものがあった。TBSの良識を代表するキャスターであり、ジャーナリストと
して筋が通っていた。

◇「THE世界遺産」

放送時間の変更とともに、「重量感のある静」から「人間味のある動」へ番組内容を
変革し、より多くの視聴者に向けて分かりやすく親しみやすいコンテンツに成長させ
ようとする意気込みが伺える。

◇金スマ「命の授業スペシャル」

子供や若者が命を軽んじる風潮が強い今日、数々の実話を再現しながら「いのちの大
切さを考える」番組を制作したのは時宜にかなった企画だった。

◇「東京大空襲語られなかった33枚の真実」

映像メデイアがカメラマンの仕事に着目したことや、ドラマとノンフィクションの手
法を用いて、仲村トオル主演のフィクションと筑紫さんのノンフィクションを融合さ
せたことなど、出色の出来だった。

◇「アラウンドフォーテイー」

ドラマのTBSの」自信となるオリジナル企画だった。何より脚本のせりふ回しがよ
く、エスプリが利いていた。女性の高学歴、少子化、晩婚など現代の社会問題を上手
に取り込んだ点もよく、最後に流行語大賞をとる快挙で締めくくった。

女性たちの気持ちを丁寧にヒアリングし、言いたいことを代弁しつつエンターテイン
メント性もあった、と言う点でひさしぶりに濃いドラマだった。

今年のTBSや放送界全般について

◇今年秋の改編で「水曜ノンフィクション」など新しい情報番組にチャレンジする方
向が見えたことは評価できる。バラエテイ偏重から脱却し、現状に一石を投じること
が出来るのはTBSしかない。

◇元気がないし、活気がない。タレントの名前に頼らない大胆な企画が必要だ。

◇「報道のTBS」「ドラマのTBS」の良さを失わないよう、他局と差別化していって欲しいが、そのためには人材の養成が大切だ。

◇多チャンネル化に向けて「ドラマのTBS」の特色をいかした、何度も再訪できる質
の高いドラマを作って欲しい。

◇筑紫さんが亡くなって「NEWS23」がいかに少数意見や地方の意見を取り上げていた
か指摘する声が目立つ。TBSは今後も少数意見などに光を当てて欲しい。

◇お先真っ暗だという現状認識のみでなく、つらい時代を乗り切った昔の人の経験、苦しいときこそ真の力が発揮されること、支えあうことが大切だ、といった人間の底力を感じさせるメッセージを発信して欲しい。

◇人間の心に訴え続けるアナログの世界を大切のすることがテレビ文化だ。

◇番組内容だけでなく、テレビビジネスのあり方に対する批判が増えてきている。放
送事業に関る一人一人が「放送人」としての意識を持ち、事業の質を向上できる仕組
みを考えるべきだ。



(以上文中:敬称略)




*TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。


東京放送番組審議会事務局