番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2007年12月17日(月)開催 / 第503回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)報告事項
 年末・年始の特別編成の内容について
(2)審議事項
 1.今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について
 2.その他
(3)事務局報告事項
 次回予定及び審議事項について

出席者(敬称略)

委員長月尾嘉男 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 山藤章二 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長

 財津専務

 城所専務

 石原取締役

 衣笠取締役

 石川編成制作本部長

 成子編成考査局長

 金平TBSテレビ報道局長

 田代TBSテレビ制作局長

 三角TBSテレビスポーツ局長

 星野TBSテレビ情報制作局長

 谷内番組審議会事務局長

今年印象に残ったTBSの番組

◇「報道特集」

地道な取材と報道姿勢を評価したい。

◇「みのもんたの朝ズバッ!」

不二家問題や司会者の発言が何かと問題になった。問題意識を持ったスタッフはたくさんいるので、現場の努力が報われる番組になってほしい。

◇「ニュース23」

後藤キャスターの癒し系の個性で進めるのがいいと思う。何かを伝えようと前のめりにならず、視聴者にひとつでもいい言葉が残るようにやっていけば他のニュース番組と差別化できる。

◇「華麗なる一族」

高度成長期の時代設定が視聴者に違和感があるのではと心配したが、人間ドラマとしての視点がはっきりしていれば問題ないことが証明された。開局記念ドラマとして大成功。

◇「命とは何だ」

命を軽く見る子供たちにも分かりやすかった。

◇「世界陸上大阪大会」

ライブ映像にこだわったことで、劇場化したスポーツ中継では醸し出せない汗や筋肉の躍動など真の迫力が画面から伝わった。

迫力ある映像で一流アスリートの活躍を伝えた見事な番組だった。

日本選手が勝てる可能性の低い種目や選手にまで、今にも勝てそうだと煽り続けた身びいきの過ぎた応援には、視聴者が鼻白んだのではないか。

◇「亀田兄弟のボクシング中継」

驚くべき予断と偏向で作られたスポーツ番組で失望した。ドラマ化も行き過ぎるとスポーツ番組としての価値を失う。

特定の選手と長くコンタクトをとることはある程度必要なのだろうが今回は相手が悪かった。あそこまで全国民的に反感をもたれる悪役と癒着すると局としてイメージダウンにつながる。

今年のTBS全般について

◇TBSには野菜のような、体のためになる、血液がさらさらになるというイメージがある。これは稀少だから他局の真似をせず独自性のある番組を作ってほしい。

◇「さすがTBS」と言われる番組が少なくなってきて、それどころか例年以上に週刊誌や新聞を賑わしてしまった。こういうときこそ萎縮せず「最良の放送局」と思わせる番組を作ってほしい。

◇亀田問題はもっとしっかりと反省すべきではなかったか。

◇「面白さ」や「わかりやすさ」に偏重した「視聴率劇場」の番組作りから、もう一度原点に立ち返るきっかけを改めて負託された年だったと感じるべきだ。

◇総合雑誌に「日本のスポーツ振興のためにはTBSスポーツ局の解体が緊急課題だ」との論文が載っていたが、TBSは反論すべきだ。

◇報道のTBSとして「面白くても伝えてはいけないことがある」という言葉を真摯にかみしめてもらいたい。

今年のテレビ界について

◇お手軽な番組が多く、メデイアの自殺になりかねない。一定の知性は維持してほしい。

◇テレビ番組表を見て録画しようと思うものが見つからないのは残念。

◇視聴者はもう少し真面目でしかも楽しめる番組を求めているのではないか。潮の流れが変わった気がする。

◇日本には質の高いメデイア批評が成立していないので、何かあるとエキセントリックで一面的な批判に終始する傾向がある。TBSは「TBSレビュー」の強化などを通じてメデイア批評の向上を目指すべきだ。

◇放送に対する国の介入を回避しながら、国民に負託された免許を維持し発展していくために、オリジナルコンテンツの開拓とそれを担う放送人の輩出を期待したい。



(以上文中:敬称略)




*TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。


東京放送番組審議会事務局