番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2007年3月19日(月)開催 / 第495回番組審議会より
「ずばッとコロシアム みのもんた vs 国会議員」3月3日(土)午後7時〜午後8時54分放送分

議題

報告事項
 1.放送での論文引用について補足説明
 2.BPO放送倫理の確立と再発防止に関する委員会(仮称)の設立について
 3.2007年度上半期編成および期末期首特別編成について
 4.金澤正輝委員任期満了退任の件
 5.2007年度番組審議会開催日程
審議事項
 「ずばッとコロシアム みのもんた vs 国会議員」3月3日(土)午後7時〜午後8時54分放送分

出席者(敬称略)

委員長月尾嘉男 
副委員長沼田早苗 
委員音好宏 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ昭一 山藤章二 横澤 彪 ( 欠席 池田委員 金澤委員)  

局側出席者

 井上社長

 財津専務

 城所専務

 水野常務

 石原編成制作本部長・報道本部長

 石川編成制作副本部長

 金平報道副本部長

 成子編成考査局長

 谷上TBSテレビ報道番組センター

 制作プロデューサー

 山中番組審議会事務局長

番組内容について

◇当番組は、みのもんたの司会で、スタジオに集った政治家が討論を行う。レギュラー番組の「サタデーずばッと」にゲストとして国会議員が登場し、討論するコーナーを発展させたスペシャルバージョン。与野党10人と10人。あえて言えば、政治を身近なものにするという効果がある反面、政治家のPRになるおそれがある。公平性確保などもあって事前収録。発言回数等をタイムではかった上で編集した。単発番組として放送。今回で3回目。今回の以下の4つの議論を中心に「政治とカネと格差社会」をテーマとした。
 1.5人の政治家の妻に政治家の意識、生活感、価値観を聞く。
 2.議員宿舎や議員会館建てかえに関連して、議員に議員特権を問う。
 3.事務所費問題に関連して、議員に領収書公表ができるかを問う。
 4.東国原知事にも出演してもらい、議員と一緒に「地方と国」でも議論。
議論をわかりやすくするために10の質問を選び、みのもんたが2時間にわたって政治家に質問をしていくという形で展開した。

◇公的負担の増加を一覧性のリストにして、今こういう状況下で議員宿舎だとか、そういう問題が問いかけられているのですよというシーンは、国民の目線で溜飲を下げるというこの番組の意図があるとすれば、非常に象徴していた、いいシーンなのかなと思った。

◇随所に出てくる数字、知事のお給料とか議員さんのお給料とかいうのは、かなりインパクトがあった。

◇東国原知事と、議員宿舎に入らなかった河村たかし議員は大変好印象で、他の議員は、議員宿舎の問題で、一瞬画面がシーンとなって、だれも反論できないし、とてもふがいない感じがした。ああ困った人たちだな、そんな印象を受けてしまった。

◇今、時宜に合った課題を10本そろえて、与野党議員を20人もそろえて、コメンテーターもそろえて、一応政治バラエティーとしての要素をそろえているが、それらのすべてがみのもんたの仕切りぶりを引き立たせるための脇役でしかなかった。それほど圧倒的な力量で、みのもんたというのは好き嫌いは別として、大衆の好奇心をくすぐり、嫉妬心をあおり、怒りの感情を代弁する、まことにテレビにとって欠くことのできないツカミのギャグ、芸、これを再認識した。

◇みのさんのテキ屋的な喋り方は聞いていると気持ちよくなって、話がどんどん先に行ってしまう。あの喋り方が、そういうある独特のものを持っているので、僕自身はかえって入り込む隙がなかった。

◇ひな壇に上っている方が三名いたが、とんでもない小倉優子が一番面白い。あの番組の中で唯一笑わせてくれたのは小倉優子さんということで、大変貢献度が高かったと思う。

◇○×、あるいはイエス・ノーのアンケートでも、せっかく国会議員が答えた結果を、口で言わなくても、結果何対何という表示がきちんとあったうえで次のテーマに行ってほしいと思う。

◇20人の政治家という人たちをこういう形で軽々しく、○×係のように、発言できる場さえないままに登場させるという企画はいいのだろうか。それまでしても出たいという方がいるということの方がもっと衝撃だが。

◇議員の顔ぶれが、テレビでおなじみの人ばかりで、ほかに議員は何百といるのに、どうしてあのキャスティングになるのか。茶の間の人間としては、テレビ慣れしていない人をもっと広い範囲からキャスティングしてほしい。

◇丁寧に取材して、交付金の話にしても、給食費の未納の資料にしても、赤ちゃんポストにしても、新しい議員宿舎の建物の中身にしても、イギリスの経費の問題にしても、よく調べてあったと思う。あの情報は、見ている人たちにとっては、とてもよかったと思う。

◇政治家の美人妻が出てきたが、もし配偶者の話というのであれば、女性議員の夫がどんなふうに思っているか、あの場面に出てくるのが嫌ならVTRでもいいので、バランスよくしてほしい。

◇面白いなと思ったのは、イギリスの政治活動費の取材とか、高知の東洋町の問題、このあたり、もっと深く取材をされて、もっと見たいと思った。

◇国民が政治に抱いている好奇心とか嫉妬心とか猜疑心というものに焦点を当てた議題を、資料もよく調査されて紹介されたという点では、ある水準の番組だと思うが、現在の国会でも国家にとって重要な問題が議論されている。建物を建てるか建てないか、ある意味ではささいなことが政治的重要課題だという誤解を与えかねないと思う。

◇重要な課題で、突っ込むべきところを全く突っ込まずに素通りしてしまっている。例えば、国会議員の定数を半減しろという意見が何人かの国会議員自身からあったが、これは極めて重要な問題なので、その問題を深く展開すれば、より興味ある番組になったと思う。

◇もう一息踏み込めると思う。例えばパネルで、これだけの国民負担がふえていますよというのは、発見もあるし、面白い。それにさらに分析を加えて、一般的なサラリーマン家計にどういうふうにインパクトを与えたのかということまで、もう一歩踏み込んでくれば、情報としても意味が出てくると思う。




(文中:敬称略)

*TBSではこうしたご意見を参考にさせていただき、今後、よりよい番組を編成、制作していくうえで活かしてまいりたいと思います。


東京放送番組審議会事務局