このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。
2007年2月19日(月)開催 / 第494回番組審議会より
超地球ミステリー特別企画「1秒の世界II」2月7日(水)午後6時55分〜8時54分放送分
報告事項
1.「人間!これでいいのだ」に対する、週刊誌の報道について
2.「サンデー・ジャポン」の不適切な編集について
3.「発掘!あるある大事典II」関連の民放連等の動きについて
審議事項
超地球ミステリー特別企画「1秒の世界II」2月7日(水)午後6時55分〜8時54分放送分
委員長 | 月尾嘉男 |
副委員長 | 沼田早苗 |
委員 | 池田守男 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ昭一 山藤章二 横澤 彪 ( 欠席 金澤委員 音委員 ) |
井上社長
財津専務
城所専務
水野常務
石原編成制作本部長・報道本部長
石川編成制作副本部長
金平報道副本部
成子編成考査局長
田代TBSテレビ制作局長
川口TBSテレビ報道局制作二部プロデューサー
山中番組審議会事務局長
◇「1秒の世界II」、昨年1月放送の「一秒の世界」に続いて、今回は第2回目。温暖化について関心が高まるなか、山本良一東大生産技術研究所教授の1秒の間に世界はどれだけ動いているのかという本をもとに、温暖化についてもう少し訴える形で、その映像化を試みた企画。スタジオ展開では、MCに今田耕司さん、安住紳一郎アナ、ゲストに関根勤、三宅健、眞鍋かをり、ユンソナ、ご意見番に石原良純。海外レポートは、エチオピアは鈴木杏、カンボジアは加藤晴彦、オーストラリアは黒谷友香が担当。
◇人が瞬きしている瞬間に地球上ではこれだけのことが起きている。しかも、その変化は悪い方に変化している。このメッセージはかなり伝わったと思う。
◇3人のレポーターの人たちも非常に素直に表現していてよかった。特に加藤晴彦さんが行った「希望の川」では、子供たちがごみの山の中から使える物を拾っているところとか、ごみの中から食べ物を拾って食べている。あれはやっぱり映像でしか表わせないなと思った。
◇コンソ族のシーンでは、レポーターとして行った鈴木杏さんが1日でこの国に慣れたんだなというのがすごく。ちゃんと体が動いていて、その場にすごく溶け込んでいる。コウモリも怖いというのが非常に伝わってくるし、牛もくさかっただろうなとか、うんこもくさかっただろうな、そういうのも非常に伝わってくるし、そういうのはすごくいい。
◇加藤晴彦さんの表情が非常にいい。いろんな感情の顔というか悲しみ、それから自分もこの子たちを励まさなきゃいけないという励ましの表情、いろいろ表情があって、言葉としてはそれほど残っていないけど、彼の表情が非常に残っていて、ある意味ですごくぴったり合っていた。
◇石原良純さんが異常現象ということに対して知識があるので、見ていて一番説得力があったし、この人はそういう仕事をやっているから、やっぱりよくわかっているなと思った。
◇私はどうしても解説者が欲しいなと思った。幾ら私たちが電気を消しましょうとか、こんなになっていますよという情報だけがあっても、一番大もとの産業界、経済界がどうなっているの、というのがなければ、ほとんど意味はないなと思った。解説者が1人いるだけで随分違うと思う。
◇視聴者の身になると、1つ1つ問題を投げかけられている感じで見ているが、考える時間を与えないで、次から次と話題がどんどんワープしている。作り手があれも伝えたいこれも伝えたいという意欲はよくわかるが、受け手の消化吸収能力をオーバーフローしている。
◇視聴者がそれぞれ考えてもらいたいというが、その邪魔になっているのがインサート。画面の横にスタジオ出演者の顔がちょこちょこ出てくるのが邪魔でしようがない。あれはよくいろんな番組でやっているが意図が全くわからない。
◇感心したのは、この番組のコマーシャル・メッセージが、わりと地球環境みたいなことに優しい企業なり商品なり、そういったものをより集めたという気がした。コマーシャル・メッセージが番組趣旨とかなりの部分で一致していたという意味で、珍しい番組かなと感じた。
◇やたらに地球温暖化、地球温暖化と言っているが、この分野の専門家の人たちと議論すると、38億年の歴史を正確にとらえている科学的な立場に立つ人の中には、大きな波動と小さな波動というのがあって、そういう流れの中で、極端に何度プラスになったら海が沈むというたぐいの、脅迫のメッセージみたいな温暖化論から、少し引くような議論をしている人も紹介しないと、メッセージ性としてはちょっとどうなのか。
◇幾つか誤解を与える表現があったものの、民放の番組としてはなかなかいい番組だったと思う。誤解を与えるというのは、例えば空気中に二酸化炭素が大量に排出されるということを、煙突から白い煙が出ているという映像を使っていたが、あれは水蒸気であって、炭酸ガスではない。監修者がいれば、そのようなことはチェックできるので注意する必要がある。
(文中:敬称略)
*TBSではこうしたご意見を参考にさせていただき、今後、よりよい番組を編成、制作していくうえで活かしてまいりたいと思います。
東京放送番組審議会事務局