番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2006年6月19日(月)開催 / 第488回番組審議会より
筑紫哲也NEWS23

議題

報告事項
 前回に引き続き、番組で紹介したダイエット方法で、健康被害が発生した件について、原因の究明と再発防止のための番組制作ガイドラインの作成など、その後の取り組みについて報告があった。
審議事項
 「筑紫哲也NEWS23」
 6月12日(月)〜6月16日(金)放送分

出席者(敬称略)

委員長月尾嘉男 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 金澤正輝 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 山藤章二 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 財津専務

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 金平報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 成子編成考査局長

 西野TBSテレビ報道局ニュース23部長

 山中番審事務局長

報告事項

◇前回に引き続き、番組で紹介したダイエット方法で、健康被害が発生した件について、原因の究明と再発防止のためのその後の取り組みについて報告があった。資料「『ぴーかんバディ!』白いんげん豆ダイエット法に関する報告書要旨」「食品の安全性に関する番組制作ガイドライン」

番組内容について

◇番組は1989年10月2日に始まって、現在17年目。JNNのその日のファイナルニュースである側面と同時に、筑紫哲也というジャーナリストが持つ独特な視点、問題意識を最大限生かしながら番組を展開している。その日のニュースを伝えるということを基本とするが、ニュースを単にショットガン方式で流すのではなく、ある程度情報が蓄積されてから、または1つの流れが定着した後に、異なる切り口から掘り下げるということを目標としている。
 ことしの年間のテーマは「変」。これは秋の自民党総裁選に向け政権交代の年であることをにらみながら、社会を揺るがすさまざまな問題をテーマとして扱ってきている。同時に、筑紫キャスターによる対談を「筑紫録」と題して、さまざまな人との対論を展開してきた。ことしに入って渡辺恒雄さん、イランのモッタキ外相、宮崎駿さん、村山元首相ほか。

◇リベラルな報道番組というか、時代から適切な距離感をとりながら報道してきたことに対して非常に評価をしている。ただその蓄積が果たして今、生きているのかどうか。最近の1つの傾向として、リベラルムードのアジェンダセッターという感じになってきていて、問題の本質を見抜いたり、深く掘り下げているだろうか。

◇スタッフをどうやって育てるのかということがものすごく重要だ。時代認識を深める鍛え方というのがどういう形でなされているのか。

◇テレビは今、面白おかしく伝えるお祭りメディアになりかかっているという気がする。その中では極めて価値観の違う、背筋がちゃんとしている番組が、「NEWS23」ではないかと思う。それは言い方を変えれば面白くない。テレビ番組の中でのアウトローだ。完全にそういう精神でやるしかないかなというふうに思う。

◇筑紫さんが話すときや人の話を聞いているとき、顔を下向けに伏せている場面が非常に気になる。どうしてもメッセージや主張を伝える力が弱くなると思う。

◇テーマを持って取材しているものは、取り上げ方が大変うまいと思った。ニューヨークの援助交際の実態も、大変危険を冒しながら、よくあそこまで撮ったなという、きめの細かな取材もよかった。

◇「街が変わる」というテーマの取材。地域おこし、町おこしの原点があの番組の中にあるような気がした。これからは町というものはつくっていくものである、これは大変大きなメッセージだろうというふうに思う。

◇客観報道から検証報道、調査報道、提言報道という、何かテレビの使命的なものを、そういう言葉でくくると、非常にかたい形になるけれども、そうではなくて、筑紫さんのキャラクターを生かして、どちらかというと軽いタッチで、そして何か知性豊かなもの、文化性豊かなものを放送し続けてもらえれば大変ありがたい。

◇福井日銀総裁が村上ファンドにお金を投資したことで、「町の人に聞きました」、という形でインタビューしているが、ほとんど同じ、金太郎あめのような回答が返ってくる。やはりもう少し識者の考え方も聞いてほしい。金融政策等々にどのようなインパクトがあるかも非常に大事な視点だから、やってほしい。

◇ローカル局の番組では全国に共通する問題を結構やっている。そういうものを出す場がすくない。より硬派な調査報道物をローカル局制作も含め、見やすくアレンジをして、もっと提示したらどうか。

◇デジタル化、多チャンネル化する中で、こういう大人の番組を、昼間あるいはもうちょっと見やすい時間に持ってくることも、編成面からぜひ検討してほしい。

◇「筑紫哲也NEWS23」は、個人が明確に主張するという形で特徴を出している。今後、次をどうするかという問題を含めても、この個人が比較的主張するという特徴は維持した方が、画一にならなくていいと思う。


番組審議会事務局