番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2006年5月15日(月)開催 / 第487回番組審議会より
『がっちりマンデー!』(5月7日(日)放送分)

議題

報告事項
 1、番組で紹介したダイエット方法で、健康被害が発生したことについて
 2、番組基準に抵触するとされる映像手法について
 3、国民投票法案についての民放連・報道委員会の意見について
審議事項
 1、『がっちりマンデー!』(5月7日(日)放送分)
 2、その他

出席者(敬称略)

委員長月尾嘉男 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 金澤正輝 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 山藤章二 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 財津専務

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 金平報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 成子編成考査局長

 田代TBSテレビ制作局長

 吉田TBSテレビ制作局制作三部プロデューサー

 大松TBSテレビ制作局制作三部総合ディレクター

報告事項

◇制作局長より5月6日放送の「ぴーかんバディ!」内で紹介したダイエット方法で健康被害が発生したことについて、体調を崩した視聴者からの電話の状況、被害拡大防止のための告知放送、総務省からの原因究明と周知徹底に関する要請、原因調査および再発防止に向けた態勢つくりなどの説明があった。

◇「放送基準に抵触する映像手法を用いた放送実施の有無に関する点検の要請について」という4月25日付けの総務省からの回答要請と、それに対するTBSの回答内容について編成考査局長から説明があった。説明によれば、回答要請の対象となった二つの点滅映像についてTBSは、一つ目のものは不適切と思われる部分を削除して放送。二つ目のものは、事前審査の結果、それほど大きな輝度変化がないことや、早朝の番組であり、子供用の商品でもなく、特に子どもたちが見ることもない、などの総合判断から放送をした。事後の機械測定でも放送基準の解説的な文書としている「ガイドライン」の範囲内であった。

◇国民投票法案の自民・公明両党の素案についての民放連・報道委員会が報道の自由・表現の自由を確保する観点から発表した4月27日付けの意見書を事務局が参考資料として事務局から各委員に配布した。

番組内容について

◇番組は2004年にスタート、「経済」をわかりやすく、カジュアルなかたちでゲストに説明してもらい、「日曜日に経済の勉強をして、月曜日から頑張ろう!」という企画。MCは加藤浩次(極楽とんぼ)と進藤晶子。この日は100回記念。ゲストは堺屋太一さん、森永卓郎さん。これまでに紹介した話題を振り返りながらゲストと司会二人のトークを展開する。通常は二つのパターン。★「がっちり儲ける企業シリーズ」スタジオゲストに企業のトップを招きその企業のスゴサのヒミツにせまる。★「もうかる情報シリーズ」ちょっと得する方法から、最先端のマネー事情まで、世の中のお金にまつわる情報、最近話題の投資などについてとりあげている。

◇4月16日放送の分については、マクドナルドの経営姿勢や現状といったもので、私自身、企業人としても大変面白く、いろいろ教えられるようなことが多かった。生活消費財だけでなく、基幹産業についてもやったらよい。多くの人に、企業そのものの実態を掌握してもらい、いろいろな意味で身近に感じてもらえるのではないか。

◇16日放送のマクドナルドは、本当に世界的なシステムができていて、すごいなというのと、特別な人材育成のやり方がすごいなという感じがした。今、洋服屋さんでも、安い食べ物屋さんでも、接客がすごく上手なのは、やっぱりああいう教育があるからだなと感じた。

◇やわらかい経済番組をつくる努力に敬意を表したいが、企業紹介の方は、ちょうちん番組になりかねない、もう少しひねって、その会社がアピールしたいことはそうだろうけども、このポイントが残っていますよということまで踏み込んだらどうか。

◇5月7日放送分は、経済、あるいは市場経済の動きというものを余りにもバラエティー化し過ぎていないか。もうかる経済、拝金主義、という極端な動きをしている社会状況にあるだけに、それを少しセーブするような番組姿勢があってもいい。

◇メーカーは、製造物製造責任が問われるが、番組の責任ということからすると、ワインを買って何10万儲かったというが、地震があったらどうなるのか。その危険を総集編でも頭に残りやすくすべきだ。

◇まともな経済番組というのは、知識の向上に役に立つという部分がないといけないと思う。金だ、ワインだ、不動産だと、どれひとつとってもきわどい話だ。BRIC’sブームをつくり上げていったような流れの中に、またNイレブンでもって引き込もうとしているのをTBSは手助けしているんですかという話に、どうしても見える。

◇「番組予測的中」とやっていたが、見たいのは、的中しなかったもの。リスクがこんなにあるんですよというところもバーンと、バランス上、見せていったらこの番組は面白くなるな、そういう気がする。

◇バブルのときにいろんな経済の評論家の先生がうそばっかり言っているな、みたいなことを、割と記憶している。そのときに、一緒になってやっているテレビ局も駄目だなと思った記憶があって、テレビ局の社会的責任みたいなものが非常に問われるな、というのがあって、そういうところをこの番組はどういうふうにかわしていくんだろう、そこいら辺のつくり方が一番気になって見ていた。すると、この番組はあおっているが、一方では注意深く引いている。それが非常によく見えるところがあった。

◇司会をやっている極楽とんぼの加藤さんが、口では失敗したとか、ああやればよかったとか、いろいろ言うが、本人は余りやる気がないんじゃないかな。そういうお金に対する執着みたいなものが全然ないというのが、逆に私なんかが見ていて、心地よい。視聴者をあおらない、前のバブルのときの教訓みたいなものがどこかであるのかな、と見ていて感じた。

◇アメリカ型外食産業の流行というのが日本人の、特に若者たちの健康や、行儀が悪いやら何やらで、情操面で余り好ましくない影響を与えているのではないかというのは、多くの人が指摘しているところだと思う。その部分に触れるのかな、それで経営者が出てきたのかなと思ったら、一切触れずに、つまりそういうジャーナリズム的視点はゼロの番組なんだなと思った。

◇面白いなと思うのは、どっちかというと企業の社長さんの話の方で、例えば学生が就職活動をするときに、こういうのを見てみたらと言う。とにかく会社はどんなことをやっているのか、社長さんがどんなことを考えているのかを知るための利用の仕方があるかなと思っている。

◇不動産物件の紹介があったが、そのとき不動産屋さんは、「浦安では20%も上がっている物件もあります」と答えているのに、話としては浦安は上がっているよ、となる。これでは情報として疑わしいと思われる。

◇このような番組がもう少し品位ある内容になるためには、司会の人が背景となる知識を持っていないと無理だと思う。例えば、紹介企業を批判して世界的なベストセラーになっている本や映画が作られている。司会者がそうした批判的な意見にも触れないと、番組としての深さが出ないと思う。

◇僕らだから、こねこね言うけど、多分ジェネレーションの若い人がここに座っていたら、絶賛すると思う。それだけやっぱりすごい違いがあると思う。


番組審議会事務局