番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2006年2月20日(月)開催 / 第484回番組審議会より
「イブニング・ファイブ」(2月14日放送分)について

議題

審議事項
 「イブニング・ファイブ」(2月14日放送分)について

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 金澤正輝 篠塚英子 月尾嘉男 寺島実郎 ねじめ正一 山藤章二 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 財津専務

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 金平報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 成子編成考査局長

 TBSテレビ イブニング・ワイド部藤原プロデューサー

 山中番審事務局長

◇トリノ五輪スピードスケートの加藤条治・及川佑選手の敗因分析は、日本の選手育成方法、企業と選手のあり方に踏み込めば、深みが出たのではないか。

2時間の間に同じ素材が何度も繰り返される。CMの前にさわりを見せる手法も同じ。ネット・ローカルの関係は理解できるが、「どういう時に繰り返されるのか」ということがわかる構成が必要だ。

◇司会陣も濃くなくて、バランスがよく、画面も落ち着いている。しかし、「掘下げ」の面でいくと、時代潮流に対して相当な蓄積を持った人材を確保しておかなくては、その場は凌げても、脈絡を欠く報道になっていくおそれがある。TBSプロパーだけではなく、広く様々なスタッフに参加してもらい、時代を把握する体系立てたカリキュラムが必要だ。

◇コメントには「感想」と「解釈」があると思うが、それぞれの発言は前者で終わってしまっている。深みのあるコメントが欲しい。ラサール石井さんの役割は、視聴者より五歩先に生きながら、半歩立ち戻ってコメントする余裕だと思うが、ギリギリ精一杯やっているように見える。

◇完成度の高い、骨太の印象だ。感情的にニュースを扱わず、客観的に見つめているのも良い。ただ、キャスター陣が多いので、どうしてもピンボケになる。ラサール石井さんなど、端からかき回す役割を与えてもいい。ローカルに徹して作る、或いは焦点を絞り込むなどの開き直りがほしい。

◇可もなし不可もなし。横並びの他局でも見られる話題が、そこそこの順列で並んでいる。司会者の個性の差がほとんどなく、論争もない。視聴者の緊張感を刺激させてくれるテンションの高さ、怒らせるなり笑わせるなりの「棘(とげ)」があれば、「次も見てみようか」という期待感が喚起されるのではないか。

◇朝・昼・夕、同じニュースを取り扱っているのだから、相互の棲み分け、取材協力、素材の連携もより深めて欲しい。夕方までの総括は「イブニング・ファイブ」で、さらなる深追いは朝の番組という連動性も必要だ。

◇2時間という大枠は、どこかメリハリが必要だが、五輪・拉致・港区の税収と、テーマ自体は大きいのに、そんなに突っ込んでいるわけでもないので、何かひとつ情報が光るというところがなかった。

◇六本木のヒルズ族の話題のあとは、月給1600万のホストのバレンタインデーのチョコレートの話題が続く。どこかにやはりささやかなサラリーマンの目線がほしい。作り手が「面白いでしょう」と取上げていくことが、「拝金主義」につながるのはいけない。

◇シリーズ「中古品の行方」など、さまざまな角度から継続して取材しているのが良い。夕方のこの時間、家事をしながら見ている人も多いと思うが、全体的にテンポもあって簡潔に仕上がっていて良いと思う。

◇各局とも芸能人をキャスターに起用することは、悪いとは言わないが、安易な姿勢を感じる。各局にはジャーナリストを志して入った報道のキャリアが大勢いるわけで、彼等には「もっとしっかりしろよ」と言いたい。


番組審議会事務局