番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2005年12月19日(月)開催 / 第482回番組審議会より
今年のTBSの放送全般について

議題

報告事項
 年末年始テレビ編成について
審議事項
 1.今年のTBSの放送全般について及び、今後のTBSに望むこと
 2.現在のテレビ界全般について

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 金澤正輝 篠塚英子 月尾嘉男 ねじめ正一 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 金平報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 成子編成考査局長

 TBSテレビ田代制作局長

 TBSテレビ石川スポーツ局長

 山中番審事務局長

(TBSの放送全般について)

◇視聴率を争う番組と、それに全く囚われない価値観に基づく番組を明確に区別し、後者の維持存続に努力すべきだ。

◇「唐招提寺1200年目の真実」のように、番組作りと文化事業を併用していくことは、TBSのイメージアップにつながる。

◇近年のTBSは、長期的視点に立って番組を育てるという意識が少々希薄だったのでは。目先にとらわれず、強固な意志を持ってほしい。

◇8月5日の「ヒロシマ」はJNNの底力を見せた。P帯にこのような番組を編成し、数字が取れるところにTBSのブランド力があるのでは。TBSの「真面目さ」はもっと武器にしてもよい。

◇特別企画ドラマ「広島・昭和20年8月6日」に、TBSドラマの健在を感じた。その一方で、品性を疑う二〜三の番組も。それらは、短期的には収支に貢献するが、TBSのブランド資産を損ねていないか。

◇9月「衆議院選挙開票」の久米宏さんが素晴らしかった。彼のようなキャスターを今後如何にTBSが育てていくのか、戦略を聞きたい。

◇視聴者におもねり、メディアが本来社会に伝達すべき役割を放棄している。娯楽番組であっても単純な娯楽としてでなく、伝達すべき内容がある筈だ。

◇「劇場型政治」の促進媒体に堕すことなく、特に報道番組に関して、より深く広い時代認識に立った企画を。そのためにも、報道若手スタッフへの的確な研修を集中的に実施すべきだ。

◇ドラマ「タイガー&ドラゴン」は、落語をもとに時代劇・現代とくるくる廻るスピード感が斬新で、久々に企みの多いテレビドラマに出逢った。

◇昨今のバラエティは、「ゲテモノ」タレントの再生産。「必要悪」であることは認めるが、TBSは民放の「良心の砦」であるという認識を常に持ってほしい。

◇バラエティが起爆剤になる。より新鮮なパワーを注入してほしい。視聴率向上をめざすのであれば、過去の栄光を忘れること。

(テレビ界全般について)

◇企業の不祥事や異常犯罪の根底には、精神性の喪失、他者への「想像力」の欠如があると思う。その歪みを正す大役を担えるのはテレビ業界ではないか。視聴率一辺倒の価値観を捨て、業界全体が良質番組制作へとシフトしていくことを強く望みたい。

◇「放送の公共性」に関する本格的な論議が、民放界では長らく行われてこなかったと思う。視聴者の信頼を損なわないようワキを締めつつ、デジタル時代に向けた公共性の理論構築が必要だ。

◇1クールごとに「特別番組」「スペシャル」と称して、企画意図不明の番組を放送する不毛の競争を、業界全体で見直して欲しい。民放連の放送基準は、遵守すべき最低限のものであると認識して欲しい。

◇多チャンネル化に対処するには、各局による明確に差異のあるコンテンツモデルの確立が必要。NHKの従来の公共放送路線放棄を予測すると、民間放送としても、時間をかけた歴史番組などが必要となり、スポンサーの多くがそれを望んでいる。

◇多チャンネル時代においては、キー局の優位性は相対化される。新たな問題意識で社会構造の変化を分析し、新鮮な番組を準備すべきだ。

◇全般的にテレビ局の特長が薄らいでいる。

◇各局がこぞって日本語・国語に関するクイズ番組をはじめたのは、若者の国語力の衰退を考える時、有意義で喜ばしい。

◇「つまらない」といえば「テレビ」というぐらい、似たり寄ったりの番組が氾濫している。まず面白い番組を作る勇気が必要だ。

・なお、文中以外に印象に残った主な番組として、委員から以下の番組が挙げられた。

 「世界陸上ヘルシンキ大会」「サンデーモーニング」「夢の扉」「情熱大陸」「はなまるマーケット」「世界ウルルン滞在記」「世界ふしぎ発見」「世界遺産」「みのもんたの朝ズバッ」「きょう発プラス!」「クイズ日本語王」「ぴったんこカンカン」(順不同)


番組審議会事務局