番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2005年11月1日(火)開催 / 第480回番組審議会より
きょう発プラス!
10時50分〜12時55分放送

議題

審議事項
 「きょう発プラス!」10月10日(月・祝)10時50分〜12時55分放送
その他
 

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 金澤正輝 篠塚英子 ねじめ正一 横澤彪 山藤章二 

局側出席者

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 財津専務取締役

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 田中TBSテレビ報道局担当局長(金平局長代理)

 成子編成考査局長

 田代TBSテレビ制作局長

 須賀TBSテレビ制作四部プロデューサー

 山中番審事務局長

番組内容について

◇「どこよりも早い昼の情報番組」を目指し、メーンキャスターの恵 俊彰・山田五郎・長岡杏子(TBSアナウンサー)が、事件、政治から芸能情報まで幅広い話題を提供する。11時30分からは、JNNの取材力を生かし、今起きている最新のニュースを長岡・伊藤隆太の安定感抜群のアナウンサー二人が伝える。後半は、その日一番の話題を伝える「特集コーナー」と「曜日別企画」。番組独自の目線や切り口をプラスすることで、他の情報番組に挑戦する。

◇トータルで見た場合、「この番組らしさ」、「番組の顔」というものをもう少し強く打ち出しても良いのではないか。朝のみのさんに比べても、「統一感」が感じられない。和田アキ子のお母さんの訃報が2回出て、「ご冥福をお祈りします」というコメントがあったあと、パキスタン大地震で亡くなられたJICA職員父子のニュースでは「ご冥福」とは言わない。基準のようなものがあるのだと思うが、なるべく違和感がないように表現して欲しい。CMを挟んで気を持たせ、結局結論を言わない方法も気をつけていただきたい。

◇横並びに見て他局、特にテレビ朝日との差別化が余り感じられない。進行役なりキャスターが明確に役割を分担して「報道なら報道、エンタメならエンタメ」とはっきりさせた方が良い。

NHKの「首都圏」のように非常にガッチリと作るやりかた、あるいは昼らしいライブ感で特集物をうまく包みこむとメリハリがつくのではないか。


◇パンチが効かないのは、キャスター陣が一生懸命な割に、余りどぎつくない個性の人たちだからだろう。コメンテーターの荻原博子さんやゲストからも、もっと突っ込んで聞き出してもいい。和田アキ子さんの不幸について、冒頭であれほど大きく扱う必要があるのか疑問だ。

◇欠陥住宅の特集で、レストランであんな形で、衛生法規上あるいは防災上許可がおりるとは信じられない。施主・建設会社の対応も常識外で、見ていて率直に「ひどいな」と思った。番組制作上、違和感は持たなかったのか。それだけに、社会問題として問題提起をされたのだから、今後どうなったのか、どう是正されたかについて長期的な視野で追及して欲しい。

◇普段は落としている話題をきちんと拾っていこうと、テレビ朝日の「ワイド!スクランブル」を非常に意識している姿勢は伝わってくる。テレビショッピングは、梨元さんと3人の女性の方が本気に売ろうという気持ちが見えて、番組として新しさがある。司会の三人が、地味でも1つ1つのテーマをきちんと押さえていのに徹するとか、姿勢をはっきり決めた方がいいと思った。

◇ニュースなのかショーなのか、制作者の腹もまだ固まっていないのではないか。ドキュメントの中身はしっかり作っているのに出演者による「絵解き」がない。視聴者に弾みをつけるモチベーションがないので、すごく冷たい感じがした。スタッフ全員が「人間嫌い」という気がする。ゲストへのあしらい一つでも温かさがもう少し出れば、信頼感も出て来る。テーマも天下国家でなくてもいい。もっと恣意的で、ちまちまとした下世話な話で良いはずだ。

◇午前〜昼の情報番組の戦場を見回すと、「差別化」よりは「横並び」という程似ている。いわば「情報のバイキング料理」で、無性格になっている。この番組も、コメントの人選など異色を狙ったものの、この大枠から出ていない。小泉さん式の「ぶっ壊す」の気概で新番組を打ち込むよりは、同質のものを並べておけば各局とも、視聴者のほどほどのニーズを分け合ってほどほどの数字を取っている天下泰平な時間帯なのかと醒めた見方もしてしまう。「空白恐怖症」というのか、ニュースのバックに必ず音楽が入っているが必要だろうか。主客転倒というのか、何を伝えたいのかわからない。特に、ラップ系の音楽など、本能的に耳がそちらへ行って言葉は伝わってこない。

◇一つでも、考えるヒントになるような企画が欲しい。「パキスタン地震」から「野田聖子の完全敗北宣言」「和田アキ子の母の死」まで、お決まりのパターンでの内容で、差別化もなく食傷気味となる。どんな素材でも、深めれば考えるヒントになる。例えば、NHKの「生活ホットモーニング」的アプローチなど主婦のためになるような情報番組も選択肢だ。

◇細木数子さんの占いで「土星人のプラスマイナス」とか言われても、自分はどれかわからないので興味が薄くなる。全体に恵さん、長岡さんのさらっとした感じが番組全体の色になっていて、横並びがちょっと重いなと思う方は、逆に奥様たちが朝の仕事が終わってお茶を飲みながら見るのには、意外と受け入れやすいと思った。

◇まだ試行錯誤の段階で、焦点が定まっていない印象だ。突っ込み不足で全体にメリハリが足りない。話題をどういう方針で毎日選んでいるのかもはっきりさせたい。視聴習慣もNHKニュース派と、最近はワイドショーに引っ張られるタイプに分かれ、それを崩すのは大変だと思うが、もう少し焦点をはっきりした方がいいと思う。CMとテレビショッピングと本編が、どこがどうなっているのか、一瞬錯覚させるところがあり、それをもう少しはっきり区別してほしい。


番組審議会事務局