番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2005年4月27日(水)開催 / 第476回番組審議会より
みのもんたの朝ズバッ!
05時30分〜08時30分放送

議題

報告事項
 一昨年11月「サンデーモーニング」石原都知事発言誤報問題に対する東京地検の名誉毀損不起訴処分について
 3月17日放送「ウォッチ!」に関する訂正放送実施について
審議事項
 「みのもんたの朝ズバッ!」 4月13日(水)05時30分〜08時30分放送
 その他

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音 好宏 金澤正輝(新任) 篠塚英子 寺島実郎 横澤彪 山藤章二 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 若林副社長(TBSテレビ副社長)

 財津専務取締役

 城所取締役(TBSテレビ専務)

 石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)

 石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)

 岡元報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 山中編成考査局長兼番審事務局長

 TBSテレビ田代制作局長

 TBSテレビ制作局制作四部吉崎プロデューサー

番組内容について

◇3月28日(月)スタートした大型情報番組。
朝帯番組初見参のみのもんたが、視聴者代表の視線から、硬派なニュースから身近な情報まで、あらゆる最新情報に切り込んで行く。ニュース・朝刊・天気・スポーツ、それぞれの情報プレゼンターが注目点をクリアに伝え、おなじみ巨大掲示板を中心にした明るいトークで、視聴者の今日一日を元気にする。

◇「庶民感覚を保有した軽妙さ」は高く評価するが、もう一歩「考えるヒント」を提供する域まで来ていない。コメンテーターを並べて、朝の新聞をコメントする方式は「定番」で安直ではないか。深い洞察・情報を持った人を何十人かリストアップして機動性・専門を高めるとか、この番組だけは絶えずネットと繋いで世論調査で局面ごとに確認できるとか、東大生を追うなら追うで、年間を通じて、幾つかのサブテーマを持って体系的・継続的に構成していったら良い。専門性の深化によって、TBSらしい「特別な新鮮さ」が工夫出来るのではないか。

◇「どこからどう見ても、みのもんた」。彼の個性というか「アク」をどう評価するかで、番組の位置づけが全然変わってくる。みのさんのパワーで全部この番組が決まってしまうところが、やや危険。60歳だから、話題が非常に古めかしい。若者にはついていけるか。彼への好感度をきちんと分析しておく方が良い。「8時またぎ」というのは、放送の作り手側の用語だから、「日刊最大関心事」に戻した方が良い。若々しいアナウンサー、天気予報士たちが、今後のTBSの新しい財産になるだろう。「変えていこう」という意欲が全社的に凄く見られて、「ウォッチ!」に比べスケール感がアップしている。

◇みのさんには、好き嫌いを超越して見続けさせてしまう一種の「テレビ天才」的魅力がある。常に「軽さ」を器用に使いこなして、視聴者の心理を読みぬき、さっと次の話題に行く。好意的に見れば胸にもたれない。もうちょっとそこで立ちどまって、引っかかって欲しいのに、スパイクを履いていないように、ツルツル、ツルツル、見事にテレビの中で舞って踊っている。それが情報番組としてベストかは別として、番組のパワーアップには間違いなく成功している。ワキを固めるコメンテーター3人、岸井さんと荒俣さん、川戸さんがそれぞれに自分の世界を持っていて、目立ちたがり屋でもなく、要所要所押さえていたコメントに好感を持った。

◇平日の3時間という長い番組なのだから、郵政民営化なり、何か大きいテーマ性のあるものを取り上げていって欲しい。そういうことが積極的に取り組める番組だと思う。8時ぐらいになると少し重い切り口でということだが、それは朝帯ではなく、夜の筑紫(哲也)さんの役割ではないか。夜は最後には筑紫さんを見て、1日を総括する日常が出来ているのに、朝方に問題提起されてそれを受け止めるような視聴者がいるのか。ここまで決断をしたのであれば、是非とも辛抱強くこの番組を育て欲しい。

◇みのさんは朝から晩まで出ずっぱりの超人的な活躍だが、こんなに沢山の時間を使っていて、報道に関してみのさん自身が本当にどこで勉強し、情報を仕入れているのか疑問だ。「みのさん、凄く良いことを言った」ということが何か一言でも残っていれば良いが、言葉の遊びの面白さで終わっている。みのさんに余りにも寄りかかり過ぎると、ダウンした時のことを思うと恐ろしい。3時間も引っ張る能力を持っている人材は、他にはいないのか。男女の組み合わせでの司会も是非考えて欲しい。

◇みのさんの元気の良さ、テンポの良さが溢れて、それが前の番組と違う。みのさんに引っ張られて、スポーツの高畑キャスター、お天気の根本さんらがとても元気がよくなっている。逆にコメンテーター陣がその引っ張りと上手く噛み合っていない。ノリの良さに任せて、みのさんがある特定の意見にのめり込んで喋っている処もあって心配。お天気カメラは、唯一ローカル発情報だが、どうも東京からの視点で、「自分たちの発信」になっていない。相手との掛け合いの工夫ひとつで印象が変わってくるのではないか。

◇最初は3時間も見るのかと思ったが、朝5時から起きて、日常の「ながら」で見ると、楽しく、楽に視聴出来た。F3・M3と、最初にターゲットを明確にするのは良いが、出勤前の人、家にずっといる人と、30分乃至1時間ごとにターゲットが入れ替わって行くのかもしれない。それを見ながら割り切ってフォーマットを考えていくと、裾野も広げられるのではないか。 はじめに「きょうのニュース一覧」をはっきり打ち出した方が良い。反日デモについてのみのさんの新聞比べ読み、岸井さんのコメントも良い視点で、これなら安心と思った。朝食時での殺人事件など血腥いニュースの扱い、言葉遣いやフリップの誤字などにも細心の注意を払って欲しい。

◇朝5時半から大変テンションが高くて、スタジオ内を自由に動き回っている姿は本当にみのさん流だし、手慣れているし、見ている人も元気になるのではないか。「8時またぎ」のボードも「ウォッチ!」よりも大きくなり、回転させたり、東大生もコメントをマジックで書いたりと、とてもアナログ的で、そこが狙いなのかと思った。

◇3時間全部見る必要はまずない訳で、リピートの仕方に少し工夫があっても良いのではないか。みのさんは、正直言って「またか」という感じを免れない。ほかに人材がいないのか。テレビ界はもう少し熱心に様々な人材を発掘する努力をしなければならない。岸井さんらに、みのさんが、時々ポンとたしなめられているのは良い。そうでないと独走でどうにもならない。コメンテーターの役割が非常に大切だ。ただ、みのさんにしても、コメンテーターがお終いに「捨てぜりふ」を言うのは、考えた上ならば良いが、余り好きではない。


番組審議会事務局