このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。
2005年2月21日(月)開催 / 第474回番組審議会より
週刊アサ秘ジャーナル
24時55分〜25時25分
報告事項
民放連の新たな番組顕彰制度・「日本放送文化大賞」制定について
審議事項
「週刊アサ秘ジャーナル」 2月9日(水)24時55分〜25時25分放送
その他
委員長 | 生田正輝 |
副委員長 | 沼田早苗 |
委員 | 池田守男 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 横澤彪 |
井上社長(TBSテレビ社長)
若林副社長(TBSテレビ副社長)
財津専務取締役・城所取締役(TBSテレビ専務)
石原編成制作本部長・報道本部長(TBSテレビ常務)
石川編成制作副本部長(TBSテレビ取締役編成局長)
岡元報道副本部長(TBSテレビ報道局長)
山中編成考査局長兼番審事務局長
TBSテレビ田代制作局長
TBSテレビ制作三部古谷プロデューサー
◇2001年10月スタート、4年目を迎える深夜番組。
「明日の日本」「明日の政治」を、当の永田町の住人たちはどれだけ読めているのか?ニュースだけでは判らない「政治の力学」を人物本位に探るべく、毎回現役バリバリの国会議員から有名ジャーナリストまでを俎上に、タレントの浅草キッドと江口ともみが「ご意見拝聴」にとどまらず、得意の毒舌で斬っていく。政治家のいるところならどこへでも果敢に突撃取材。今後も市民レベルの政治的啓蒙バラエティーとして、政治家のキャラクターを徹底分析して行く。
◇「ジャーナリズムとワイドショーの間」という制作者の狙いは当っている。が、松野さんでも中曽根さんでも、歴史の証言者として映像を記録しておく「TBSアーカイブス」的価値が欲しい。その意味で、浅草キッドの質問が弱い。例えば吉田茂や、松野さん自身の政治的ビヘイビアについても、時代の空気について「ここのところだけは聞き出しておきたい」というものを埋め込んでおく。あとは硬軟取り混ぜて、肝心なことは聞いている、そういうことで価値が高まっていくのではないか。
◇スタートした最初の頃は、浅草キッドに芸人さんの「いかがわしさ」があって、政治家たちも「あれ、この番組に出ていてもいいの?」という様な「探りぐあい」が面白かった。政治家の言動ひとつで、その政党のテレビへの理解の優劣が判る。浅草キッドが一応ノートは持っているのに、ノートなんか全く書いてない、あのいい加減さが凄くテレビ的。ところが最近は浅草キッドが勉強してきた代わりに、逆に政治家の枯れない「いかがわしさ」が見えてきて、議員に支えられている番組になってきた。深夜帯にピッタリで、少しずつ伸びていくように思う。
◇かつてのCX「スター千一夜」の政治家版。とりあえず褒め称えるけれども、その裏でちょっと蹴飛ばしてやろうというパロディ精神がある。浅草キッドは、余り勉強しないで、怒られるとか、たしなめられるとか、波長がずれていた方が番組としても面白くなるのではないか。「訳の判らない政治の世界に突撃するぞ」という姿勢は貴重だ。番組担当者が始末書を毎週書くような精神で作って欲しい。
◇浅草キッドは、最近のお笑いタレントと一線を画す向上心、知的好奇心の持ち主なので、良い仕事に巡り合ったと思う。ただ最近はやや安定路線になって来ているので、彼らの持ち味である「インチキ臭さ」のエネルギーに転化した方が良い。最近の政治家は愛嬌が良過ぎる。口をヘの字にする硬骨漢や、今焦点の倣岸無礼な政財界の大物みたいなのを無理に引っ張り出す「手ごわい相手月間」でも作って、はらはらするような場面を見たいと思う。
◇松野頼三氏は3回目の出演ということで、質問に対して如才なく、いろいろ昔のエピソードなどに答えているものの、30分はあっという間で、勿体無いというか、見終わった後印象に残るところが乏しい。どういう人が出てくるか、その人が1回目の出演かどうかで物凄く出来が違ってくるのかなと思う。限られた時間枠の中でインタビュアー3人は多すぎるのではないか。また、聞くテーマも1、2点に絞り込んではどうだろうか。
◇政治家というのは常にサービス精神を至るところで発揮しない限り、活動できないのか、大変だなという思いで何回か見た。確かに、普段知りえない私的な側面等も重要だが、若者の政治への無関心が蔓延する中、もっと公的な側面、政治家としての「使命」というものを、バラエティー番組的な要素の中で深夜番組を見ている若い層にメッセージとして投げかけて欲しい。
◇今や政治部記者も『要チェック番組』として注目しているというのは、手っ取り早くその人のことが判るし、昔の面白いエピソードなど、いろんな新しい発見があるということだろう。朝のテレビの新聞チェック番組とは逆の現象で、とても面白い。松野氏も大変穏やかで、気配りがあって、言葉遣いといい、ああいう年の重ね方はいいなと思った。
◇人間というのはこういう番組でどこまで人柄が出るかなという点に、非常に興味を持って見ている。倣岸不遜そのものの人が、実はとてもデリカシーがあったりする。ただこの番組は聞き手側が「お伺い致します」という姿勢。品性が悪いのは好きではないが、全体に上品で大人しくなってしまって、突っ込み不足の感は免れない。
番組審議会事務局