番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2004年10月18日(月)開催 / 第470回番組審議会より
時事放談
06時00分〜06時45分

議題

審議事項
 「時事放談」10月10日(日)06時00分〜06時45分放送
 その他

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員音 好宏 篠塚英子 寺島実郎 ねじめ正一 山藤章二 横澤 彪 

局側出席者

 井上社長(TBSテレビ社長)

 財津専務取締役・城所取締役(TBSテレビ専務)

 石川執行役員(TBSテレビ取締役編成局長)

 岡元報道副本部長(TBSテレビ報道局長)

 山中編成考査局長兼番審事務局長

 TBSテレビ石塚プロデューサー

番組内容について

◇『時事放談』といえば、1957年から30年間、毒舌と反骨精神で視聴者の熱い支持を得た長寿番組。
今や「ワイドショー政治」と揶揄される大衆迎合型政治が幅をきかせ、将来への危惧は強まるばかりだ。そこで、装いも新たに登場した「時事放談」では、戦後の政治世界を生き抜いてきた生き証人たちに、今の日本を、そして未来を自由闊達に斬って貰うことによって、時代に警鐘を鳴らす。

◇司会の岩見さんが非常に失礼のない方。あれ以上やると、本音も出てこない。失礼のなさがちょうどぴったり合っているというところで、皆さん発言している。自分のことばかり言っている一部の討論番組のあとで見ると、非常にバランス的にいい。思いがけなくポロッと言う言葉の中に、本当のことみたいなものが1カ所、2カ所見えてくる。そこを探すのがすごく楽しみで、出演者の枯れ具合が、良い味を出している。

◇「今の政治がなっていない」のは、誰しも思っていること。老人をもう少し勇気づけてくれるような番組にして頂きたい。

◇ゲストが一流の教養人、テレビで票を獲得しようなどという野心がない。岩見さんの司会もジェントルで、見終わった後は、山の湯治場にゆったり浸かった後の感じ。格調と面白さは、二律背反だが、例えば同質のゲスト・司会者を起用しながら、「サムシング・インタレスト」を追求できないものだろうか。

◇他局の日曜朝の政治家出演番組に比べて「じっくり」というそれなりの特色はある。小手先部分のところで雰囲気を盛り上げようとしているところが透けて見えるところが残念。小島慶子さんは「育ちのいい息子の嫁」の役割で良いのだが、「何も知らない元気な孫娘」のアシスタントが若干茶々を入れることによって、「今」というものを引っ張ってくるということがあっても良い。

◇「時事放談」という「放談」で、次から次へテーマが「えっ、えっ、えっ」と飛んでいくスリリングな話の流れがは余り感じられなかった。過去にさまざまな局面での日本の政治のリーダーだった人々が登場するのだから、例えばテーマを区切って、年金改革時の経緯とか、金変動相場制移行期の政治家同士の葛藤などを話して頂くなどもひとつの方法ではないか。

◇かつての「時事放談」は朝8時半。父の脇でずっと見ていた。親としては、社会の現象を判らせるには都合がよかったのだろう。朝6時という時間は皆で見るのは難しいのでは。でも、人生の先輩の話を聞くというのは良い事だし、時間帯を少し変えると、岩見さんの穏やかな進行具合、小島さんがゲストに対する言葉遣いも、若い人の良いお手本になるのでは。「ぴったんこカンカン」にしても、リニューアルとは言いながらタイトルは同じでも中身は全然違う。そのタイトルに引っ張られてしまうと、今の番組のイメージが弱くなるように思う。

◇出演者は現役国会議員をリタイアした人が主だが、「リタイアしていても、本当のことは言えない」ということが沢山あると思う。昔の「時事放談」の方が、在野から物を言っていたら、もっと辛口だったのだろう。会社を辞めたり組織から退くと立派なことを言い出すものだが、政治家の方が、まだ言えないところがあるのかなという気がする。最後の「最終提言」は、提言というほど大げさなものではなく、余り意味がない。人選も、いろいろな意味で、固定しない方が良いと思う。


番組審議会事務局