番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2003年12月15日(月)開催 / 第462回番組審議会より
年末年始のテレビ番組について

議題

報告事項
 年末年始のテレビ番組について
審議事項
 1.今年印象に残ったTBSのテレビ番組とその理由について
 2.今年のTBSの放送全般について及び、今後のTBSに望むこと
 3.いわゆる「視聴率至上主義」と「視聴質重視」に関する一連の議論について
 4.その他

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員音 好宏 篠塚英子 ねじめ正一 山藤章二 横澤彪 

局側出席者

 井上社長・若林常務取締役

 財津常務取締役・城所常務取締役

 岡元報道局長・田代編成局長

 玉置編成考査局長・田澤番組審議会事務局長

 小櫻TBSライブ社長

 斉藤TBSスポーツ社長

 小田TBSエンタテインメント社長

(TBSの放送全般について)

◇現在も他局に比して優れていると思うが、全般を通じて品位を維持することに努めて欲しい。

◇他局のドキュメントや報道番組で、「先に筋書ありき」というケースを聞く。取材に重きをおいて番組を作って行く事が必要。

◇各局混戦の中、番組作り全体が迷走している印象。こういう時こそTBSは小手先で視聴者に媚びようとせず、原点に帰った番組作りが大切ではないか。骨太の「やっぱりTBS」と言われるような番組を作ることがブランド力になる。

◇12月の山本周五郎生誕100年記念ドラマ「初蕾」の余韻がまだ残っている。昔、「山本周五郎アワー」が放映されていたが、「水戸黄門」がいまでも厚い客層を持っているなら、「周五郎アワー」復活も夢ではないのでは。

◇「NEWS23」の筑紫哲也氏の突っ込みが足りない。
TBS独自で脚本家、スポーツキャスターを育て上げるべきだ。

◇筑紫哲也氏は、当初、信頼感や人柄の誠実さがテレビでは新鮮だったが、ここ三、四年、年齢を感じさせるのが気になる。報道といえども"活気"は必要だろう。小さなニュースやスポーツは局アナの若手に任せ、「多事争論」などの主張の必要なコーナーに、御意見番的な立場で出る方法もあるのでは。

◇「老成したテレビ局」というイメージが強い。若々しさとバカバカしさが欲しい。

◇「さとうきび畑の唄」や「世界陸上」をはじめとする良質なコンテンツの一方で、一部に何のメッセージ性も持たない番組も散見されて残念。「手を抜かない良質な番組づくり」がTBSの持ち味。視聴率獲得ばかりを求めた安易な番組づくりに陥らないことを切に希望している。

(「視聴率至上主義」について)

◇視聴率本位に陥っているのは事実であり、絶えず反省を求めたい。視聴質を科学的に測定できないものか。

◇一連の視聴率論議に、学問的に耐えられる能力のあるマーケティング部門を持っているのはNHKとTBSのみ。
新たな番組評価に関わる建設的な論議では、TBSがリーダー的役割を果たすべきではないか。
一部の短絡的な視聴率批判に対しても、しっかりと反論し説明しなければ、良質な広告主、視聴者を失ってしまう。地上デジタル放送が本格化して以降、どのように営業収益を上げていくかという本質的な問題にも繋がると思う。

◇視聴率で売上げが決まってしまうほど重要な指標であるなら、改善策について会社側がもっと情報を開示すべき。
サンプル数が600で信頼に足りるのか、ビデオリサーチ一社だけの調査で良いかなど。大学への委託研究など、今後の指標の在り方について産学連携の必要性を感じる。

◇スポンサーと、テレビ局の毅然とした姿勢、質を求める視聴者、この三者が揃うという奇跡でも起こらない限り、現状が覆すのは無理。

◇視聴率はあくまでも番組の人気度。これを営業のセールスデータとして使うことをやめれば緩和されると思う。

◇「視聴質」を数値化するのは難しいし、良質な番組が必ずしも経営上の数字に結びつかない面もあると思う。しかし、社会から評価されることが第一の使命であるとする志が、今一度、テレビマンにも必要なのではないだろうか。また、視聴者やスポンサーも、文化としてしっかりつくられた番組を支持していく姿勢が必要だと考える。

・尚、印象に残った主な番組として、各委員から以下の様な番組が挙げられた。
「さとうきび畑の唄」「初蕾」「世界陸上パリ大会」「生命38億年スペシャル・人間とは何だ!?IV 脳の奇跡」「超歴史スペクタクルII 古代ローマ夢と挑戦!!」
「マンモスタワー」(1958年制作 CS)「名門!アサ秘ジャーナル」(順不同)


番組審議会事務局