番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2003年3月17日(月)開催 / 第455回番組審議会より
テレビ番組「スパスパ人間学!」について
18時55分〜19時54分

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 長部日出雄 篠塚英子 山藤章二 横澤 彪 (音委員、ねじめ委員、服部委員欠席) 

局側出席者

 井上社長・佐藤専務取締役

 財津常務取締役・城所常務取締役

 児玉取締役・平本報道局長・田代編成局長

 田澤番審事務局長/編成考査局長

 小櫻TBSライブ社長

 戸田制作プロデューサー

報告事項

◇テレビの4月編成について

諮問事項

◇日本民間放送連盟放送基準の一部改正について、番組審議会に諮問し答申を得た。(事務局注:詳しくは番組審議会H.P.をご覧ください。)

番組内容について

◇「スパスパ人間学!」は、先端の科学を笑いでコーティングした生活情報バラエティー。日常生活に潜む体や心の問題を、毎週ひとつづつテーマを決めてとりあげ、専門家の分析や番組オリジナルの実験、悩める人々の回復作戦など、様々な角度から掘り下げて、明るい生き方のヒントを探る番組。数ある健康情報番組の中でも、そのクオリティについては学者や専門家からもお褒めの言葉をいただいている。"ながら視聴"の女性客が圧倒的に多いという平日19時台の特性にあわせた「楽しい」「わかりやすい」「役に立つ」内容と、女心をわしづかみにするテーマで、20〜30代の女性を中心に幅広い支持を得ている。

◇1時間番組としてコンパクトにまとまっていて面白かった。ただ解説者側に、なぜ女性がいなかったのかが疑問。今回はストレスが女性を太らせる、というテーマだったが、現代社会においては女性だけではなく、男性もいじめ、リストラ等のストレスが多くある訳で、男性にもあてはまるのではないかと思うし、女性のコメンテーターがいたら、また違う意見もでたのではないか。

◇午後7時という時間帯にふさわしい内容で、楽しく、わかりやすく、役に立つというコンセプトもよく理解できたし、食事をとりながら興味深くみることができ、いろいろと教えられることも多かった。今後は社会的な流れのなかで重要視されている予防医学、また癒しというような問題を取り上げていただきたいし、新しい知識、情報等を情報バラエティーという新しい形での切り口で私達に問題提起をしてほしい。

◇たいへん為になる番組と言う点では成功していると思うが、1時間の中に内容がぎちぎちに詰まり過ぎ、欲張りすぎではないか。演出面で出演者をどんどん切り捨てていく手法をとっているが、もう少し出ている方を丁寧にフォローしてほしい。見ていてもうひとつ温かさが無い感じがした。全体としてきちんと作っている番組であり、スタッフの力、エネルギーを強く感じた。ただ、スピードでごまかそうとしないで、もう少し立ち止まって番組を作ることも必要。結論に向かって急ぎすぎずにのびのびと取り組んでほしい。

◇最初にでてきた女性の日常生活の隠し撮りの手法は新鮮味がなく、前半はつらい内容だったが、後半の北海道大学澤口教授の発言は「未来日記」のアイデアも含め、番組では重要な役割を果たしているといえる。また、4人が芝居をしながらの「脳会議」はたいへん面白い。この番組のように、現代科学の最先端をいくような情報が、うまく咀嚼された形で情報バラエティーとして紹介されるのは、とてもいいなと思った。

◇最近、私と同年代の男性の知人、友人がにわかに太ることについて疑問をもっていたのだが、この番組を見てなるほどと思った。私達の世代は現役を離れて、寂しさ、むなしさ、疎外感を強く感じ始める年代であり、それらが隠れストレスとなり食欲にむかってしまう、という専門家の分析を聞いてよくわかった。今回のテーマは女性だけのものではなく、現代社会では男性にも十分に通じるテーマではないだろうか。見る側にはそういったとらえかたができたと言える。いわゆる「人間学」という視点から見てみると、非常に焦点深度の深い学問の部分を番組の中で見せているという作り手の自負も感じ、なかなか見ごたえのある番組だと思う。

◇司会の爆笑問題の気のきいたコメント、アクション等もおもしろく、気楽に楽しみながら色々と情報が得られるということで、良くみていて、今回も楽しく見ることができた。テーマであるストレスをどう映像で見せるのか、とても興味があったが、食べることによってストレスが減少するという分析を上手に映像化していて、良く考えて作られていた感じがした。

◇この番組は内容についてはなかなか良いと思うのだが、タイトルはあまり感心できない。最近のテレビ番組は、何でこんなタイトルなんだろう、というものが多いような気がする。また、今後番組で取り上げるテーマについては、チャンスがあれば是非、現代社会における食生活問題、アレルギー等について取り上げてもらいたい。

◇物語も登場人物の構成もわかりやすく、安心感をもって見ていられる番組。ただ今回はいろいろな登場人物が出てきて人物の積み重ねの良さみたいなものが少し薄れて、フラットな感じになっていたようだが、逆にCGを駆使した映像の面白さ等では若い層をとりこめるのではないかと思う。この2つの矛盾した側面を巧く合わせて、年代を超えて家族みんなで楽しめる形にしてゆくことがこの番組の今後の課題かもしれない。

◇「水戸黄門」は意外な方が見ていて、科学者や学者にも好きな人が多い。それは見ていて安心感があるからだろうし、日常の煩わしいところから逃れられる・・そんなところが魅力なんだろうと思う。


番組審議会事務局