番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2003年2月17日(月)開催 / 第454回番組審議会より
テレビ番組「サンデー・ジャポン」について
10時00分〜10時24分

議題

審議事項
 テレビ番組「サンデー・ジャポン」について
2月9日(日)10時00分〜10時24分放送

出席者(敬称略)

委員長生田正輝 
副委員長沼田早苗 
委員池田守男 音好宏 篠塚英子 ねじめ正一 服部克久 山藤章二 横澤 彪 (長部委員欠席) 

局側出席者

 井上社長・佐藤専務取締役

 財津常務取締役・城所常務取締役

 児玉取締役・平本報道局長・田代編成局長

 田澤番審事務局長/編成考査局長

 高柳TBSエンタテインメント業務本部長

 正木プロデューサー

番組内容について

◇日曜日の朝この時間に見たいテレビはやはり一週間のニュース・芸能・スポーツ番組なのではないだろうか。しかし、この番組はただのニュース番組ではなく、「切り口の面白さ」で勝負する、あくまでも楽しめるバラエティ番組を目指す。番組の大きなテーマは「全てのニュースを面白い切り口で、分かりやすく伝える」ことであり、司会者には現代毒舌の代名詞“爆笑問題”を起用し、個性豊かな8人のコメンテーターと爆笑問題による絶妙のスタジオトークは、まさにハラハラドキドキで、番組の大きな魅力になっている。

◇日曜日朝のこの時間帯はTBS、他局も含め内容的にも類似した番組が多く、かなり厳しい状況であり、そんな中でこの手の番組を作られた勇気をたたえたいし、様々な逆風に負けずに前進してもらいたい。また、番組自体がもつある種の品の悪さ、過激さというのが、新しいTBSのモチベーションになり得る芽を持った番組だといえる。今は過激さと毒みたいなものがすごく出ているので、いいと思うが、視聴率を少し上げて番組の継続を図るのであれば、女性も見てみたいというような部分があったほうがいいのではないか。

◇総体的には面白かったと思う。テンポも良く、司会の2人(爆笑問題)がでしゃばらず、トークに適度にかんでいて良かった。コメンテーターのトークについては、もっと女性のしゃべりが必要。面白くてしゃべれる女性は探せばいるはずだ。出演者の座席、配列の工夫も大事だと思う。

◇この番組の各コーナーの扱い方が、例えて言うとスポーツ新聞の芸能欄、社会欄という印象をもった。特に社会欄のコーナーといえる部分は、もっといろいろな形でテレビならではのTBS独自の加工ができるのではないか。コメンテーターのトーク部分も含めて、番組としてのもうひとひねりがほしい。また、番組全体を通してスーパーの入りすぎがちょっと気になった。

◇私にとって、日曜日は一週間のけじめの日であり、そこに放送される番組は知的な形で私達を充足させてもらえるようなもの、家族ぐるみで楽しめるものであってほしい。21世紀は知性、心の時代であると言われていて、テレビのあり方も大きく変わってくる。ニュースの取り上げ方一つにしても、面白さを求めるだけでは、大切な何かが欠けてしまう。そのあたりにテレビというメディアがこれから追求していくべき大きな課題があるのではないか。

◇コメンテーターの人選はバランスがとれていて非常に良いと思う。ただ、皆さんのしゃべりが時々かぶってしまうのが残念。せっかくの良い意見も聞けないことがある。司会者も含めトークの進め方に問題があるのでは・・。総体的には非常に人間をやさしく見ているTBSらしい番組だと思う。

◇出演しているコメンテーターの会話の奪い合いみたいな部分が、番組をみていてすごくスリリングで、意見の中身より会話への入り方によってその人の品性のようなものが垣間見えたりして、たいへん興味深いし、そのスリリングさは常にあってほしい。

◇土曜夜と日曜朝、TBSではテイストの似た番組が続き、見た後にある種の窮屈感と勉強疲れを感じる。見る側の生理としては逆に違うもの、行儀の悪いものを見たくなる。この番組の行儀の悪さが逆にこちらを非常にリラックスさせてくれる、そんな良さを感じる。番組全体でTBSの中の元気なワルの空間を作り出していて、これによってTBSのある種のバランスの健全さを示している番組だと思うし、多少の出来、不出来があっても大いに声援を送りたい。

◇全体的にテンポがあり、話題も豊富で政治コーナーも普通のニュースとは違う切り口でよかった。後半のイラクの企画も、日頃こういう軽い感じの番組を見る人達でも反戦について考えさせられるような、ジンとくる感じもあり、良い企画だったと思う。また、番組の事前に細かい打ち合わせはしていないようだが、その分、生の臨場感のようなもの、打ち合わせをしていない強みは感じられる。

◇この番組はプラスとマイナスの評価がかなり大きく分かれると思う。ただ、やはり劇場で許されるものが、テレビでは許されない場合があるわけで、テレビの情報はそのまま家庭に入ってくることが、大きなポイントであり、その点に自ずから限界があるということを常に念頭においてもらいたい。こういう番組は面白いと思うし、それだけに番組がどういうインパクトを見る側に与えるか、ということも番組を送る側は考えなければならない。


番組審議会事務局