番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2002年3月18日(月)開催 / 第445回番組審議会より
テレビ番組『ZONE』
18時30分〜19時00分(清原和博〜故郷で語る家族への愛)
18時30分〜19時00分(坂田ジュニアゴルフ塾)

出席者(敬称略)

委員長内田健三 
副委員長沼田早苗 
委員秋山ちえ子 生田正輝 伊藤宏 猪口孝 兼高かおる 瀧大作 ねじめ正一 古橋廣之進 (竹内委員、服部委員欠席) 

局側出席者

 砂原社長・佐藤専務取締役・若林常務取締役

 財津常務取締役・近藤編成局長・平本報道局長

 田澤番組審議会事務局長・編成考査局長

 林原TBSスポーツ取締役

 樋口プロデューサー

 TBSラジオ&コミュニケーションズ

 清水社長

 小櫻取締役

 相島番組審議会事務局長・総合企画室長

番組内容について

◇この番組は、スポーツドキュメンタリー番組として1999年10月にスタート、2001年4月から現在の時間帯に移り、今までに100回以上放送されております。スポーツを単なる勝ち負けの視点ではなく、アスリートたちの挫折や苦悩など、メンタルな部分を含めた人間ドキュメンタリー番組という視点からの番組製作を目指しています。

◇芸術とかスポーツとか外国語は、世界中で年令的に早めに始める傾向があると思うのです。ただ日本ではまだまだの状態なので、この坂田さんというのは、本当に日本の社会を先取りしているのではないか、偉い人がいるなと、僕は全然視点が違うのですが、思いました。

◇清原の方ですが、見終わると、清原というのは、割といい人間じゃんということになっちゃうのです。(笑)それが狙いなんでしょう。ただプロ野球を長く見ている人間としてみると、野球選手が発散する体臭というのは、どんどん薄くなっています。非常に濃密な、悪役にしろ、汚れにしろ、気障でもいいから、過去の選手たちは自分のにおいをぷんぷんとさせていた時代をずっと見てきますと、清原は貴重な存在なのです。そういうのを親孝行で墓参りしてというのを見せちゃうのは、無駄な情報じゃないかという気がするのです。以上、感想です。

◇まず清原によくここまで取材できた。今まで清原の番組は、何本か見ていますけれども、ここまできちんと清原を撮ったのは、初めて見たような気がしました。お父さんが出てきて、清原の生活ぶりみたいなものがよくわかって、非常にいい気持ちで見ていました。坂田さんの方は、彼のいい部分と悪い部分が同時に出ていたんですが、あの女の子で非常に救われたというか、女の子のいろいろなコメントは、非常にバランスがとれていた。多分清原よりも、テレビとしたら坂田さんの方がいいのかなという感じがしました。

◇例えばジャイアンツで、(清原が)去年とても印象的なホームランを打ったと思いますけど、そのことから(テーマを)広げていくようなことができなかったのか、などと思いながら見ておりました。坂田塾の方は、あの女の子が余りいいので、素直にスポーツも何も忘れて、ポロポロ泣きながら見ておりました。批評じゃないんだけど、好き嫌いで言うと、坂田塾は大変感動しました。

◇バラエティーが非常に多い中で、テレビらしい番組です。野球に詳しい方はそれなりに、いろいろな意味で後で話題にできる番組で、こういうのはもう少し、テレビの中にあってもいい、もっといい時間帯で放送されるといいんじゃないかと思いました。

◇スポーツというのは、私は大好きなのですが、この2つを見て、ちっとも涙も何も出てこない。2つともプロの問題と絡んでいるからかもしれません。プロが嫌いだというわけではないし、今の時代にプロ化しているのはよくわかるのですけれども、スポーツにはもっと純粋なものがあるという気がします。

◇清原という人は立派な選手になっているのですから、平素余り尊大な態度でない方がいい。それをうまく料理なさったということ。しかし何となくわざとらしいかなという感じがしないでもない。坂田塾については、余り過度にしない方がいいんじゃないかと思いました。

◇全部見終わって、非常に感激しましたけれど、彼は(清原選手)もう既にメディアなれしているわけですから、そういう面で物を見たとき、すごくしらじらしくなりますが、そういう目で見なければ、すばらしい番組だと思います。

◇(番組に対する先生方のご意見には)世代の違いがあるのだなと思って聞いておりました。(ジャイアンツ、アンチジャイアンツに限らず)皆さんプロ野球のファンだろうと思って、(ご意見を)非常に面白く伺いました。

◇坂田塾ですが製作の方法がシンプルで、少女と坂田さんと結構絞ってあって、映像がきちんとしていたから、大変見やすかったです。清原さんの番組は対照的に、ホームビデオで撮ったような家庭的な感じの、温かみのあるものでした。2つとも映像的には対照的でしたが、30分の間にうまくまとめていらっしゃるなと思いました。

◇清原さんの話は、もう少し精神面的なものを取り上げてやられた方がよかったのではないかと思います。スポーツというのは、ある程度心がないと、とてもじゃないけど闘えないのです。そういう面で見ていて、あれだけ期待されながら、それにこたえていないような気がする。そんな点を少し焦点を変えて、取り上げたら面白かったのではと思います。


番組審議会事務局