番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2001年11月19日(月)開催 / 第441回番組審議会より
ラジオ番組『吉永小百合・街ものがたり』
22時00分〜22時30分

出席者(敬称略)

委員長内田健三 
副委員長沼田早苗 
委員秋山ちえ子 生田正輝 伊藤宏 猪口孝 瀧大作 ねじめ正一 服部克久 古橋廣之進 山藤章二 (兼高・竹内委員欠席) 

番組内容について

◇旅行が大好き、と言う女優の吉永小百合が、旅行者の視点を大切に世界各国の街々を案内するラジオ番組。それぞれの街に対する憧れや、映画ロケなどで訪れた時のエピソードを優しく語りかけ、さらに音楽や美しい詩の朗読を添えて、聴きごたえのある演出で、ラジオ独特の世界を目指す。

◇メインターゲットが40代、50代というので、私とぴったりなものですから、大変聞きやすく聞かせていただいたのです。やはり吉永小百合さんの番組ですから、大変安心して聞いていられますし、音楽も大変聞きやすかった。朗読の感じもゆったりとしていて、大変わかりやすく、全体的に秋をイメージした、終わったときにほっとする、そんな感じを受けました。

◇私、吉永小百合さんは何も知らないのです。思い出にあるのは、「キューポラのある街」という映画で、一途にいられるというのは、今回のラジオの語りでも入ってきていて、すごいなと感激しました。非常にいい方向を出しているのかなという感じがしました。

◇ともかくうぶな感じが、このラジオ番組にもすごく残っていて、吉永さんのひたむきさみたいなものが、すごい熱を入れて一生懸命やっている。ある意味で、女優も含めまして、ゼロに戻れるというぐらい、この番組に打ち込んでいるのが、こちらに伝わってくるのが、よくわかります。

◇さらっと聞いて、嫌いだという人は、まずいないと思います。とりあえず日本人はもともと秋という季節が大好きですし、そこに出てくる、それをテーマにした有名な歌、詩、すべて日本人の美意識にぴったりかなうわけです。しかも、その語る人が、相変わらず年齢を重ねても好感度の高い吉永小百合。これだけ3枚並べてしまうと、どこからもグーの音も出ないわけです。

◇吉永さん自身、つまり女優であり、広く言えばアーティストという独特の感受性がもっときらめかないと、吉永さんの既成の好感度だけに寄りかかった、さらりとした音として、右から左へ行っちゃうのです。余りにもオリジナリティー、彼女の個性、クリエイティビティーがないわけです。この回に限って言いますと、何かもうちょっとクリエイティブな芯が欲しかったということです。

◇ラジオというものの特性を改めてしみじみと感じさせられた。まず、吉永小百合という人と自分がマンツーマンでしゃべっているという感じがすごくするのです。
 全体的に言うと、僕はもっと時間を長くしていいんじゃないかということと、吉永さんのフリートークで、時間が来たら終わる。生みたいに録音して、きょうは時間が来ましたので、途中ですが、また来週というぐらいのビビッドな番組にしてもらいたい。とにかく吉永さんは好きですから、とにかくもっと長く、そして余計な人の声は聞きたくないのです。

◇2度聞いたのです。1度目と2度目の印象が全然違うのです。
軽く聞き流して、第1回で聞いていると、非常に楽しい。ラジオってこんなに楽しいものかなということを再発見したような気もしました。反面、2回目に真面目に聞くと、いろいろな発言やパーソナリティー、気になることもある。視聴者の聞き方によって評価がいろいろ違うのかなという気がしてきました。

◇今回の吉永小百合さんのこういった番組は、我々の年代にはとても合っている気がいたします。ご本人のしゃべり方、あるいは穏やかさ、そういうものも影響していると思いますが、「たった」という言葉がいいかどうかわかりませんが、30分、その中にどっぷり浸からせていただいて、いろいろなことを想像させてくれたと思います。

◇音楽は、私も音楽家なので、あまりどうでもいいとは言いませんが、かかっている音楽、今回の特集に関しては、特にあれが聞きたいという曲でもないような気もしたし、もう少し吉永さんのいろいろなお話があった方が、聞いていらっしゃる方も楽しいのではないかと思います。

◇ちょうど日曜日のこの時間に、身構えて聞くというほどでもなく、静かに聞き流して、いい時間でもあり、番組であった、そんな気持ちで、時々聞いております。

◇放送局が、とてもすてきなパーソナリティーの方をどうやって生かして使うかというところをもうちょっと考えていいんじゃないかと思いました。やたらと最後に「ね」がつく言葉で終わっている語りがとても多いのです。あのやわらかい調子で行くのと、物語風に、割に感情を抜きにして、「アナウンサー調でやってください」、そういうことは言えると思うのです。もう少ししゃべりにめりはりがあった方がいいということと、使われた詩とか音楽がどういうものかという短い解説を加えるなど、ディレクターの役割をお果たしください。

◇申し上げることは何もありません。私はもう年をとりましたから、永遠のサユリストの旅を聞いて、ただただ秋の夜にふさわしいと思いました。


番組審議会事務局