番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2001年10月15日(月)開催 / 第440回番組審議会より
テレビ番組『こちら第三社会部』
20時00分〜20時54分

出席者(敬称略)

委員長内田健三 
副委員長沼田早苗 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 兼高かおる 瀧大作 竹内宏 ねじめ正一 服部克久 古橋廣之進 (秋山・山藤委員欠席) 

局側出席者

 東京放送

 砂原社長・佐藤専務取締役・若林常務取締役・財津常務取締役

 田澤番審事務局長・編成考査局長

 橋本プロデューサー

 TBSラジオ&コミュニケーションズ

 清水社長・小櫻取締役

 相島番審事務局長・総合企画室長

番組内容について

◇これまで「水戸黄門」とか「大岡越前」などの時代劇を放送してきた月曜8時枠に新たに企画された、32年ぶりの現代劇。新聞記者達を主人公としたドラマで、熱血デスクを演ずる渡辺謙が率いる「第三社会部」がその舞台。そこに配属された落ちこぼれ記者達の活躍を描く。

◇非常に懐かしい。昔見たような、前かけをしている割烹のおかみさんもちゃんといる。それから、おやじさんが鉢巻みたいなものをしていて、そこのはみ出し娘とかがいる。私は、出来としては非常にいいと思います。楽しく見せていただきました。こういう心温まるものは、たくさんあってほしいなという願いがありますから、そういう意味では非常に感銘を受けながら、拝見をいたしました。

◇私が知っている新聞社というのは、活字を拾っている時代なので、それから見ると随分変わっている。知らないわけではないのですけれども、そういう印象を非常に受けました。それはそれでよろしいのですが、いかにも現実離れをしている。だから楽しめるのだと思うのです。余りドロドロ現実と絡まっていたら楽しくないので、「水戸黄門」と同じで、印籠が出てくればそれで済む。そういうストーリーであるならば、それは非常に楽しいように思います。

◇非常にテンポの速いドラマだったと思います。だから、ある部分ではついていけるし、ある部分ではテンポが速過ぎてついていけない、そんな感じもちょっと受けました。あと、これに出演しているそれぞれの俳優の方々というのは、個性があって、そういう意味でいいなと思いました。これからどんどんいい方向に行くだろうと思いますので、2回目以降、さらに大きくご期待申し上げたいと思います。

◇いわゆる記者の生態というか行動、そういうものをドラマ仕立てにしていらっしゃる。面白い面もあるのですけれども、非常に盛りだくさんで、少し薄っぺらな感じもあったかなという感じがしないでもない。

◇現実離れして現実的だというのが非常にいい。ただ、リストラの時代に、あんなにブラブラした人を雇っているということ、その辺が、もう少し現実的な方がいい。

◇これは時代劇そのものなのです、これは清水次郎長伝をやる。清水次郎長伝を今やるときに、どういうポジションに置いたら一番うまくいくかということで、第三社会部というのが出てきたので、萩原聖人君の森の石松とか、各人が次郎長外伝みたいに、これから活躍していくわけです。現代の衣をかぶった痛快時代劇。ですから、1人1人の子分たちの面白さ、第三社会部の落ちこぼれ組という、清水一家の面白さがこれから展開されると思うし、題材としてスクープとか、いろいろな事件も出てくるかもしれませんけれども、本意は、痛快時代劇をやる方向だと僕は思う。

◇トータル的に言うと、いい意味で、今時、ああいう番組は珍しいと思いました。見ていてわからなかったのは、グリーンエンジェルが悪者みたいなのです。せっかくいい意思でやっている子たちなのに、ストーリーの中では悪人、暴漢を殺人者に仕立てて、自分たちを守っている、そういう感じがして、もうちょっとストーリーをきれいにしておかないと、誤解を招くのじゃないかと思います。それが残念でしたね。

◇(ドラマでの)新聞記者のやり方って、思ったのとちょっと違っていた。(実際は)みんなコンピューターを持っていて、とにかく現場からほとんど記事を入れている場合が多い。バーッと入れたのがトップへ行くのでしょうけれども、そこへ行って、なんだかんだ言われて、しばらくたって評価されて、結構厳しい生活をしている。これは人情とかが出過ぎかなと思った。組織の中の評価は、結構厳しいのです。若干のんきな話だなと思った。

◇渡辺謙さんのキャラクターでどこまで引っ張れるかということだと思うのです。渡辺謙をどういうふうに生かしていくか、「ジロチョウ」をどういうふうに生かしていくかというドラマだと思うのです。このまま時代劇になりそうだなという感じもした。渡辺謙さんは、病気をなさっていて、すごく存在感のある役者さん。その役者さんがすごく軽妙というか、コメディ風に、しみじみ、ほのぼのと演じていると、こちら側は逆にすごくホッとするのです。あのホッとした感じがすごくいいと思うのです。

◇私も、あまりにも豪華キャストなので、1人1人の輪郭が見えちゃって、最初ちょっと入り込めなかったのですけれども、町のどこかで起こりそうなことだし、ちょっとした情報も組み込まれていますし、最後にはドラマ全体のテーマである共感ということも感じました。それと、森繁さんからモーニング娘。ということで、すごく幅が広くて、ホームドラマというのが、とても言い当てているなと感じました。


番組審議会事務局