番組審議会議事録

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2001年3月19日(月)開催 / 第435回番組審議会より
テレビ番組『スーパーフライデー 動物救急病院密着24時』
19時00分〜20時54分

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 兼高かおる 瀧大作 竹内宏 沼田早苗 古橋廣之進 山藤章二 

◇今、人間同士が殺伐としている。何か日本人全部が悪くなったような気になる。しかし番組では、動物に対して、人間味があって、愛がある。こういう人たちがこんなにいて、こういうふうに形にあらわして見せてくれれば、世の中の人に安心感を与える。

◇ボランティアの婦人たちに見てもらったところ、みんな感動したとか、涙を流したという。みんな子供が大きくなって、子育てが終わった人たちばかり。女は子育て、物を育てるというのが大好きで、犬や猫にみんな名前をつけて、子育てのかわりにやっているから、一生懸命にこういう番組も見るんだなと思ったりした。

◇後味がよかったなと思うのは、スタジオにタレントを集めてこなかったこと。無駄なことが全くなくて、感想なり意見というのは全部茶の間に任せちゃう。それがとってもいいと思った。
それと、善意の人ばかりが出てきて、とてもいい話で、情操教育としてはいいのだけれど、もっと社会教育的なニュアンスを含め、ペットブームがもたらすいろいろな問題点、ペットの異常な愛好家が町内にいると、周りが非常に迷惑するなど、放送時間が2時間もあったら、少し香辛料的にそういったことを後半で出せたんじゃないか。

◇やはり日本で一番困るのは、猫っかわいがりがやたら多いことだろう。ほかの人の迷惑、その他社会的なことを考えない。それが行き過ぎると、今度は逆に捨てちゃう。自分の都合のいいときだけは飼って、あとはポイ捨て。動物番組を見ていると、素直にばかり喜んでいられず、そういうことも心配になってくる。

◇構成、組み立てがなかなかよかった。最初に毒を食べた猫を通りすがりの人が助けてあげたというところから始まって、個性ある獣医さんたちのメッセージがあって、そして捨て犬をお世話する人がいる。そして最後に、三宅島のペットが飼い主に会ったときの喜びよう。あの喜びようが、裏返しで本当に寂しかったのだなというのがよく出ていた。
中で一番よかったのは、クリスマスイブに拾ったイヴという犬の話。少女が変化していって、命の大切さとか、ペットに対しての思いやり、そういう何かちょっと小さなドラマが、ドラマチックに描かれていた。

◇番組では、魚の手術と、オカピーと言うちょっと変わった動物が出産したのにすごく興味を持った。その動物は、子供を産んでも、生まれたばかりのその子を蹴っぽってばかりいる。人間と重ねて、ああ母性というのはわからないものだなと思った。

◇これだけペットに夢中になるというのは、どうだろうかと思ってしまった。もっとペットよりも重要なものがあるのに、現代の社会の病理現象を非常に抵抗なく出された感じ。こういった番組を見た人は、人間と動物の関係とか、生命とか、いろいろ考えさせられるのと同時に、どうも世の中、変だという疑問をもたされたのではないか。

◇ナレーションがさりげなくて、よかった。今、ナレーションを思い出そうとしたんだけれども、何の記憶もない。ということは、出過ぎず、引っ込まず、多分的確にやっていたんじゃないか。
 また、テレビで2時間というのは、よほど何かすごいものがない限り、生活リズムの中でもう無理ではないか。これを1時間にコンパクトにしたら、もっとすばらしい番ばらしい番組になったのではないか。

◇初めの永岡さんというお医者さんがすばらしくて、そのイメージで見ていたものだから、飼い主については、まあそんなもんだろうという感じで、それほど感動しなかった.時間は一時間半で十分だった。

◇今回のこの番組については、特に飽きも来ず、2時間が概して短く感じたような気がする。中身が非常にバラエティーにも富んでいたし、よかった。
また、動物に対する医療が、まさかこんなに進歩しているとは、技術ももちろん、機械には全くびっくりした。人間とペットのかかわり合いも、今回のこの手術いろいろな意味で、まざまざ見せつけられた。
人間の老いとの関係というものも、学ぶものがあった。


番組審議会事務局