番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2000年11月21日(火)開催 / 第431回番組審議会より
ラジオ番組『荒川強啓デイ・キャッチ!』
15時30分〜17時50分

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 瀧大作 竹内宏 沼田早苗 山藤章二 

◇『荒川強啓デイ・キャッチ!』 は、全体的には、バラエティ番組で、車を運転しながらとか、家事をしながらでも、気楽に聞ける番組だ。今が旬の話題も多いし、聞き易い感じがする。ただ、フレーズごとに「ジャン」と音が入るところがあり、うるさく感じた。「ジャン」を除けば、何も言うことがないくらいいい番組だと思う。

◇ラジオの司会というのは、テレビの司会よりはるかに難しい。荒川強啓さんや大沢悠里さんは、やはり、3本の指に入る司会者だと思う。聴取率も、あの時間帯では最高だそうだし(10月平均視聴率1.9%)、福島瑞穂さんの人生相談のコーナーも、なかなか大したものだ。夜10時からのバトルトーク番組「アクセス」も人気があるし、TBSラジオは今一番よい方向にあると思う。

◇私は、5年前に始まってから、ずっとよく聞いている。荒川さんは、余り傲慢ではないし、余りベタベタもしていない。普通の親しみやすいキャスターで、その人柄が長く続くゆえんだと思う。ただ、交通情報でよく用賀から霞ヶ関まで59分とか、新宿から三郷まで21分とかいうが、59分でなく約1時間とか、約20分となぜ言えないのか。デジタル化の進む中で細部にわたって数字をならべるよりも、概括的にとらえるのが大事だ。

◇荒川さんをじっくり聞いたのは初めてだったが、荒川さんは、大変すごい人で、スラリというか、サラリというか、流れるような声に聞き惚れていた。それから、コンビを組んでいる女性の方とも、呼吸も合って、非常にフレッシュな感じだった。その日の出来事を世間の関心度順にランキングしてベストテン形式で発表する「デイキャッチ・ランキング」は、アメリカ大統領選挙など硬派のものもうまくランキングの中に入れ込んであって、硬軟の組み合わせが非常に良かった。

◇「デイキャッチ・ランキング」は、注目の自民党加藤派全員に聞くとか、もうすこし技術を使って世論調査みたいなのができると、面白いのではないか。

◇<担当プロデューサー>今は街頭で100人に聞いているが、インターネットでもアクセスしてくれた方が、自主的に投票してくれている。最近は、iモードでも投票できるようにしてくれという要望が結構多く、検討している。なお、一部の番組は、インターネット(http://www.tbs.co.jp/radio/)で内容を紹介している。

◇少年法の話など難しい問題を、その事実だけ伝えていたが、あれは聞き易いし、非常にいい。また、年配者が気になる敬語だが、友達のような口振りはいいとしても、もっと使い方をしっかりして欲しい。これは、TBSだけではないが、一部だけが敬語だったりして、きちんとした使い方をしていない。

◇<担当プロデューサー>言葉使いやアクセント、そのほかの疑問があれば、日々のデスクが教えたり,相談を受ける形をとっている。やはり荒川さんが一番経験があるので、一つの指針になっている。

◇ニュースは確かにわかりやすかったが、余りラジオを聞かない私のような人は、どこに何が出てくるか、出ているタレントもわからない。どうして聞いていいのか、わからなかった。

◇ラジオというのは、特別にこれを聞こうというのは余りない。運転しながらとか、家にいたから聞くとかだが、割に聞いている人は家にいる人が多いようだ。私などは、このごろ家によくいるので、いつもTBSのラジオをずっと流して聞いている。荒川さんは、すごくいい。同じ人の声が聞こえてくると安心感があったりする。

◇この番組は、脂の乗り切った段階に入っており、多分相当な長寿番組になる気配がある。やはり、1にも2にも強啓さんのパーソナリティーの好感度だと思う。荒川さんは、面白さ、柔らかさの極と、真面目さ、固さの極、両極とも、非常に程よい柔軟性があり、時にはハードに、時にはややふざけてと、体重移動しながらやっている。その言葉はとてもいいので、リスナーにある種の信頼感と面白さと、両方を与えてくれる。しかし、余り行儀よく、決して土俵を割らない相撲というのは面白くない。土俵の中央から離れて、土俵伝いに歩いたり、徳俵に足をかけたり、時々、黒星があってもいいと思う。


番組審議会事務局