番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2000年6月19日(月)開催 / 第428回番組審議会より
テレビ番組『筑紫哲也NEWS23』

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 兼高かおる 瀧大作 沼田早苗 ねじめ正一 古橋廣之進 山藤章二 

◇小渕首相が緊急入院したとき『NEWS23』は視聴率が15%になったそうだが、いつもここで話題になる視聴率というのは、質の調査も入れると、筑紫さんの番組は、とても高いものになると思う。信頼して見ていられるし、やはり筑紫さんを見なければ、私は、寝られない。ナイター中継が長引いて、終了時間が12時を過ぎる時は、もう寝不足になってしまう。筑紫さんは、チクシ?ツクシ?

◇<担当プロデューサー>チクシ・テツヤで、筑紫さんの『NEWS23』は11年も続く大変な長寿番組だ。

◇ケネディ大統領暗殺の時「これが衛星中継の真髄」と思ったが、今は本当にスピードが速くなり現実に起きたことが映像を伴ってくる。どこまで言っていいのかコメントもしにくいし、どう取り扱うかということは大変難しい。訓練を積んだ人が必要になるが、筑紫さんは、ある意味できちんと区分けをしてやっている。非常に結構ではないか。

◇私としては、ニュースをいっぱい見せてくれる部分がもう少し欲しい。ニュースを見せてくれるところがどんどん少なくなっている。筑紫哲也は日本で大きな需要を支えていると思うが、短く毎時5分とかバラバラとやるニュースはロイターとかCNNなど外国のテレビに完全に取られてしまっている。TBSだけでも、ニュースのポイントを押さえてバーッとやってくれるとよい。皆忙しいのに夜の11時までニュースを待つというのはどうも。

◇<役員>TBSは現在CS放送で「ニュースバード」という24時間ニュースをやっているし、1999年1月からコンピュータ用に「NEWSi」といういつでも見られるオンデマンドのニュースもだしている。(参照:http://news.tbs.co.jp/)これは英文でも出している。

◇筑紫さんには批判もあるようだが、筑紫さんは博識で実績もあり、間違いないと素直に聞いてしまう。『NEWS23』は、アナウンサーの雰囲気とか、落ち着きを皆意識しているので、見ていて安心感がある。安定した番組の割にはとても小回りがきいて、すぐ対処するというところも、なかなかいい。佐古さんも、外へ出ても、いつも落ち着いて、とてもいい感じだ。

◇3人のキャスターがそれぞれテーマによって外に出ていくので、リアリティが出ている。他局のニュース番組と比べてもすごくいいと思うが、他局があまり元気ないことで助かっている感じもする。気になるのは、やっている人。やはりちゃんとニュースを伝えることは今、非常に大切ではないだろうか。「NEWS23」の今年のテーマが"心"なら、読み方みたいなものももっと大切にしたらどうか。ニュースは読み方で内容の伝わり方が全く違ってくる。草野さんは、癒し系なのかバリバリ系なのかと気にしながら見ている。

◇筑紫さんはカメラに向かってコメントするよりも、誰か呼んで対談すると血の気が差すというか、テンションが上がっていく。好奇心も旺盛で、語気もそれまでよりずっとはっきり、強く明確になる。特集「17歳」の村上龍さんとの対談は良かった。たまにではなく、毎日誰かを呼び、なるべく生のトークを闘わせるといった形の方が、筑紫さんを元気にさせるのではないか。『NEWS23』は、自分の地が強く出る対論をメインにしたらどうだろう。「多事争論」は、どこからも文句のこない大多数が肯定するコメントが多く、鋭どさはない。

◇筑紫さんに鋭さがないとか質問が甘いとか言うのは、自己乖離というか、言いたいことが一杯あるのに、テレビでは言ってなならないとセーブしているためで、筑紫さんは苦しいのかなと思うこともある。本当は自己主張も強く、番組をやってなければ一つの言論戦ができる人だと思う。

◇個人的にも知っているが、筑紫さんの本質は相当激しいアイデアを持っている男だ。激しさを実にうまくオブラートに包んでやっている。TBSの番審だから言うのではなくて、筑紫さんが今や、このジャンルでのナンバーワンだなと思って見ている。


番組審議会事務局