番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


1999年9月20日(月)開催 / 第419回番組審議会より
テレビ番組『'99年世界陸上スペイン大会』
〜8月30日(月)

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 兼高かおる 瀧大作 竹内宏 沼田早苗 ねじめ正一 古橋廣之進 山藤章二 

◇スポーツというのは、これまで勝負ということしか考えてなかったが、「スポーツは美しい」と思った。正面から撮ったマラソンの女性たちもスローモーションの棒高飛びも非常に美しかった。総集編は私のためにもなったし、良い番組を作ったと思う。

◇今回は、いろいろな面白い点が見つかった。10代がほとんどいなくて、みんな年をとっているとか。かつては、共産圏ばかり勝っていたが、アフリカ系の活躍が目立ったとか。それも、かってはアメリカばかりだったが、デンマーク、イギリス、フランスといろいろ出て来て面白かった。

◇織田さんや古館さんを使って番組化しないほうが良い。スポーツ中継は、あくまで客観的に余りいろいろな意図を加えないで良い。日本の選手が活躍すれば、視聴率は上がるし、活躍しないと、落ちて行くと覚悟を決めてやっていただきたい。視聴率が13%あるにしても、古館さんの声を聞いて嫌に感じた人が相当いたのではないだろうか。

◇(担当プロデューサー)賛否両論あると思うが、女子マラソンの実況に関しては、人物と状況を伝えることでは一番の能力を持つ古館伊知郎さんを起用させてもらった。

◇古館氏は有能な話芸の持ち主で、「筋肉番付」の盛り上げ方も非常にうまいが、今回は失敗だと思う。男子マラソンの中継の方が、ずっと良かった。マラソンは陸上競技のなかで最も哲学的というか、ショウアップする必要のないスポーツだ。

◇余りにもコマーシャルが多い。100メートル競争の予選などは、コマーシャルの間にだれかが走っているぐらいの印象しかない。各局でいろいろな放送をやっていればかまわないが、独占放送なわけで、次回はうんと客観的にやっていただきたい。

◇女子マラソンの市橋さんの監督が一緒に走っていたりして、なかなか面白いと感じた。選手たちのちょっとした表情などもよくとらえていたし、大変テンポがあって、飽きずに見させてもらった。

◇ナレーションの言葉をすごく吟味している。一つ一つ、「ああ、いい言葉だな」と思いながら聞いていた。このごろ、言葉がいいと感じられるナレーションは、余りない。最後の詩だけが、何かもうすこしうまくあてはまればいいと感じた。

◇街の並木や建物とか、結構上手に入っていた。あれでセビリアでやっているなという感じが出た。カメラにしろ、編集にしろ、考えてくれているというのが分かった。

◇(担当プロデューサー)国際映像に加えてユニのカメラを5台程用意し、日本選手の寄っている部分などは、ほとんどTBSのカメラで追った。

◇女子マラソンで市橋さんがスタジアムに入ってきた時、「どうしてあんなにけろっとした表情なのに走れないのか」とみんな疑問に思ったはずだ。あの時、「あの走りはもう本当に疲れている」とプロの宗監督などの解説が、一言あったとすると納得すると思う。

◇他の局のニュースで「誰々が勝ちました」とか先に出てしまって、「あれエ?」なんて思ったりした。しかし、総集編は楽しめた。私などは、何でも見ていて楽しいが、日本の選手の金メダルが少ないと、寂しくなる。ほとんど、外国の選手ばかり出る。仕方がないのだろうが。

◇オリンピックは「頑張れニッポン」でいいと思うが、世界陸上は最高峰のアスリートを見せるというコンセプトを持ちたい。最高のアスリートが来るとみんな見るわけで、コンセプトがはっきり違う。ご検討いただければと思う。

■その他
●ラジオとテレビの10月編成について、説明し、審議した。


番組審議会事務局