番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


1999年2月15日(月)開催 / 第414回番組審議会より
テレビ番組『学校へ行こう!』

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 瀧大作 竹内宏 古橋廣之進 

■生徒・PTA・学校、そして番組制作側が一体となって…

◇基本的にすばらしい番組だと思う。私の近所でも、ティーンエイジャーの子供で見ているという基本的な視聴パターンができているようで、結構おもしろいのは、子供よりお母さんの方がおもしろがっているパーセンテージが大きい。ちょっと問題を感じたのは、教育の現場とテレビの問題。どこまで踏み込んでいいのか。「未青年の主張」は大変おもしろいんだが、結局、言っていることは当たり障りがないことを言っている。むしろウケ方が非常にうまいので、あれは、ディレクターか作家が指示しているに違いないと思う。

◇屋上から大きな声で叫ぶ子供は、何人か希望者があって選ぶのか。

◇(担当プロデューサー)「未成年の主張」に関しては当初は当然こういう企画でやるということで学校に説明し、校長先生に趣旨を分かって頂いてやっていたが、現在は、基本的に生徒会とか子供の有志、又PTAの方から、是非うちの学校でという願いもある。校長、教頭先生の了解を取り、学校に簡単なアンケートを送って、どういう学校だとかを校長先生に聞き、スタッフがその学校に行く。

◇最初に疑問を持ったのは、この番組は、一体どんなジャンルの番組なんだ。今盛んにバラエティーだと言っているが、バラエティーと言うが故に、教育の問題については突っ込みが非常に不足してしまうし、確かに今の荒廃した学校に踏み込むというのは非常に問題なのかも知れない。何かその辺で逃げちゃっているというか、そんな感じがする。

◇「未成年の主張」は非常におもしろいし、ああいうやり方があるのかなと思った。これは小学校はやらないのか。

◇(担当プロデューサー)はい、中学生だけです。

◇先ほどもちょっと「やらせ」の問題があったが、物によっては少し「やらせ」のような感じがなきにしもあらずなので、我々の言葉としては、余りにも不適切であると思うが、余り「やらせ」みたいなことが勘ぐられるような方向には持っていかない方がいいんじゃないか。そうでないとこの番組そのものが死んでしまうし、また意味がなくなっちゃうんじゃないか。

■左官屋さん?高校生?

◇この番組は、中学校、高等学校と言うことで限定しているが、その根っこにあるのは幼児からの問題なんだ。幼児期から一つのトレンドで、教育的問題をどう考えていったら良いのかということをひそかに中に置きながら、こういう番組を作れば、バラエティーはバラエティーとしていいのではないか。

◇特に「未成年の主張」というのが大変おもしろくて、聞いていても笑っちゃったが、ただ、最後の場面で、左官屋さんを高校にやろうというのは、やらない方がいいんじゃないか。ああいう人はやらないで、左官屋さんとして一人前になってこそ非常に重要だ。

■学校の先生にヒントを与える番組作り

◇今の教育全体という問題を、よく世間では、今の子供はなっていないみたいな話なんだが、実際には随分良い子供が育っている。良い子供というのが問題なんだが、非常に自主性のある、活力ある子が多い。よく言われる茶髪だとかなんとかというのは、今の教育全体の中でどういう比重になっているのか、本当に昔よりも非常に悪くなっているのか、悪いという意味は何なのかというようなことを番組を見ながら感じていた。もう一度勉強してみないと分からないという感じを持った。

◇スタジオに、みのもんたさんと誰かがいたが、何のために出てきたのか分からない。大きく考えてあの番組を作ったならば、哲学があった方がいいんじゃないか。どんなゲストがいるか知らないが、そこでアドバイザーというか、彼らの考えがあった方がもっと締まってくるんじゃないかと思う。

◇一つ残念なのは、さっき13歳から19歳までの子供達、それからお母さん達が見ているということだったが、これを学校の先生に見せたい。そうすると、あの中からヒントがたくさん掴めると思う。屋上からバーっと叫ばなくったって、教室の中だって、みんな自由に発言させる時間を作って、先生がうまく指導をやったりというようなことができたらすばらしいので、学校の先生にたくさんのヒントを与える、久し振りにいい番組だと思った。

◇また審議会冒頭に、TBSが準用している民放連放送基準の改正(4月1日施行)について諮問し、答申を受けました。改正の詳細はこちらへ。


番組審議会事務局