番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


1999年1月18日(月)開催 / 第413回番組審議会より
テレビ番組『輝くレコード大賞』ほか年末の番組

出席者(敬称略)

委員長秋山ちえ子 
副委員長内田健三 
委員生田正輝 伊藤宏 猪口孝 兼高かおる 瀧大作 竹内宏 古橋廣之進 

■江角マキ子の司会は…

◇最近は年をとったせいか「レコード大賞」にちっともいい歌が出てこなくなっちゃって、「紅白」もつまらなくなって、ただ惰性でみているような。第一歌手の名前がわからない。

◇全体に歌番組は減っているんじゃないか。

◇(担当局長)歌番組は一時は減ったが、このところ増えている。ただ、グループが多いし、横文字の歌詞が多いし、私自身もなかなかついていけないのが事実だ。

◇私達が、きちっとレコード大賞を聞いていた時期は、フォークソング、森山良子さんとか、そういう方達が賞を取っていたと思う。まだ、レコードだったが、結構きれいだった。今はスーパーが出ないと、何をしゃべっているか歌の内容がわからない。(司会の)堺さんはよかったと思うが、江角さんが、あの番組全体からすると、トーンがちょっと落ち過ぎじゃないか。暗い感じがしたのと、マイクの使い方が、皆さん口元が見えるのだが、江角さんは口のそばにマイクがあって、口が全然見えない。

◇(担当局長)江角さんは女優だから、ドラマとか何かはやっていても、多分司会は初めてだと思う。それと「レコード大賞」というのはやっぱり大きな番組だから多少緊張したのと、あるいは慣れていない。多少ぎくしゃくした面もあったかと思う。

◇「レコード大賞」というのは、たくさん売れた枚数でやるのか。CDならCDに吹き込んで、よく売れた歌手が貰うのか。どういう選び方か。

◇(担当役員)必ずしもそうではない。実はTBSは審査に関しては、一切タッチしていないという風にしてある。あれは各新聞の音楽記者が審査委員会を構成して、そこで審査をして頂くことにしてある。

◇「レコード大賞」の本体ではなく外側だが、やっぱり江角マキコの起用が非常に謎だ。ひどい言葉でいうと、さんたんたる司会ぶりだった。一言一句カンニングペーパーから目が離せない。もともと突っ張って、愛敬のないのが彼女の女優としての売りなんだろうが、司会という枠の中では非常にふさわしくなかったと思う。堺正章という手だれがいるので、局アナで脇を固めて十分というか、そちらの方がよかったのではないか。

■年末年始番組全般について

◇暮れ、正月のテレビのあり方は、一般的にいっても、視聴率ははっきり落ちている。「レコ大」でも、往年30何パーセントあったし、フジの「かくし芸大会」は大変な勢いだったけれども、いま15パーセントを越えるのが、精一杯になっているので、生活様式がかわってきているんじゃないかなと思う。「レコ大」は、ショーが多くなり過ぎてからつまらなくなった。いろんなショーが出てくると、アトラクションに近くなっちゃって、感激性が薄れたあたりから魅力がなくなったかなという感じがする。

◇正月番組は、おせち料理みたいなもので、どこのチャンネルをひねってみてもほとんど同じようなことをやっていて、あまり好きじゃない。スポーツ番組を見ることは、非常に勉強にもなるし、また、ストレス解消にもなるので正月はそれだけを見て、他のものはほとんど見なかった。

■その他

◇コマーシャルが最近非常に気になることが多いので、今年は是非コマーシャル問題を、番組審議会の議題の中でも取り上げていただきたい。局にすればコマーシャルは営業権であるが、そこにやっぱり節度なり、けじめがあってもいいんじゃないか。最近というよりも、ここ2〜3年かもしれないが、それは、結局、出稿している企業の品格に振り返ってくる問題だと思うし、これはどこのコマーシャルなんだということを、私は常に気にしている。

◇今、日本の国家が、メルトダウンしている。どこの国でも、国際的にメルトダウンしている。インターネットもそうだが、その時には、まとめてしゃべったってあまり意味がない。聞いている方が国家意識もない時には広い情報が必要だと思う。それには荒っぽくてもいいから(番組では)それぞれの専門家を集めて議論しないと、ディレクターなりタレントの方がまとめていうのは国民国家のころのテレビのような気がする。


番組審議会事務局